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NTTドコモ前田新社長、ネットワーク品質改善を誓う  石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.563

石川温の「スマホ業界新聞」
-------------------------------------------------------------------------------------- 石川 温の「スマホ業界新聞」 2024/05/11(vol.563) -------------------------------------------------------------------------------------- 《目次》 1.NTTドコモ、前田義晃副社長が社長に昇格 —-ユーザー視点での事業運営を進め、通信品質への不満解決を誓う 2.5G JAPANが日本全国10万基地局に協業を拡大 —-KDDIは「Sub6を2波」で差別化を図る 3.ソフトバンク、LINEヤフーにセキュリティガバナンス強化を求める ----ショップでは本人確認怠り「SIMスワップ」発生 4.今週のリリース&ニュース 5.編集後記 -------------------------------------------------------------------------------------- 1.NTTドコモ、前田義晃副社長が社長に昇格 —-ユーザー視点での事業運営を進め、通信品質への不満解決を誓う ------------------------------------------------------------------------------------------ NTTドコモは2024年5月10日に2023年度決算説明会を開催。終了後、新社長に昇格した前田義晃副社長が登場し、メディアに所信を語った。 前田新社長は「ユーザー視点での事業運営を進めていく。ドコモのサービスを使う中で感じる要望や不満を常に真摯に受け止め、速やかに応えることでユーザー体験、CX向上に取り組んでいく」として「通信品質への不満やサービスの使い勝手など一つ一つの声と誠実に向き合い、解決していく」と意気込みを語った。 アスキーの連載でも執筆したが、前田新社長が起用されたことで、まずはどこも経済圏の拡大に注目がいくが、それよりもまずは「ネットワーク品質の改善」が喫緊の課題であることは間違いない。 その点、前田新社長はコンテンツやパートナー開拓の経験が豊富な一方、技術屋ではなく、ネットワーク関連は「門外漢」という印象が強い。この辺りのハンデをどのように埋めていくかが注目と言えそうだ。 今回、NTTドコモの会見終了1時間後にKDDIの決算会見が開かれた。せっかくなので、同じく「経済圏の拡大」が得意な印象の高橋誠社長に「前田社長が就任したNTTドコモへの受け止め」を尋ねたところ、 「前田社長が就任して良かったなぁ、と。今、グローバルの方々と話していると、ベースとグロースの考え方が定着してきた。我々は通信と付加価値と言ってみたり、ビジネス領域でもベースとグロースと言っているが、グロース領域がこれから拡大していくのは流れとしてはその通り。そこに強い前田さんが社長に就任するだけに、我々としてもしっかりやっていきたい。 とは言ってもベースは通信。僕は上位レイヤーの人としてみられているが、元々は通信屋。これからは通信の品質、5G展開、衛星連携が重要になってくるのではないか」とした。 確かに、今回の決算会見を見ていても、KDDIの高橋社長、さらにソフトバンクの宮川潤一社長は経済圏の拡大に触れているだけでなく、ネットワークの品質の向上に加えて、AIとの取り組みについても語っている。 ソフトバンクは自社で大規模言語モデルを作り、展開していくのに対して高橋社長は「ソフトバンクがWindowsなら、うちはLinux」として、Metaなど海外製大規模言語モデルをベースに、国内ベンチャーと開発しつつ、全国にネットワーク基盤を整備する方向を示している。 NTTドコモに関しては、AIはNTTグループの「Tsuzumi」任せなところがあり、NTTドコモとしてAIを同サービスや自社ネットワークに取り込むのかが気になるところ。 今回、NTTグループの決算会見での時間配分が全くなっておらず、前田新社長に対する質疑応答がほとんどなかっただけに、改めて、前田新社長が、じっくりと「この先、NTTドコモをどうしていきたいのか」を語る場を設けてもらいたいものだ。 この4年、NTTドコモはすっかりメディアを遠ざけてきたので、是非とも前田社長にはメディアを通して、ドコモユーザーに向けた情報公開をしていってもらいたい。 -------------------------------------------------------------------------------------- 2.5G JAPANが日本全国10万基地局に協業を拡大 —-KDDIは「Sub6を2波」で差別化を図る -------------------------------------------------------------------------------------- 今週、ちょっと驚きだったのが、KDDIとソフトバンクによる「5G JAPAN」が協業範囲を拡大するという話だ。これまで地方、5Gのみの協力体制であったが、今後は全国展開を行い、5Gだけでなく4Gでも共用基地局を活用し、全国で10万基地局まで拡大するという。コスト削減効果は1200億円にもなるという。 ソフトバンクの宮川潤一社長は「2020年だったか、当時のKDDI田中会長にMWCの帰りに偶然遭遇。『5G投資はこれまでとは桁違いになり、今の体力で日本全土をカバーするのは厳しい』という話になった」というのが5G JAPANの発端だったという。 ただ「日本全体で10万局というのは全く足りない。やりきるためには、一緒にできるところは一緒にやっていく。共創し合うところは割りきる。技術面に関する取り組みなので、今後もチャンスがあれば、運用やトラブル時、災害時などで協力する体制作りを一緒にやっていこうという話になる。6Gについても、もっと協力するところが多くなるのではないか」とした。 確かに5Gや6G時代に向けて、今まで以上の基地局整備が必要となれば、コストを優先し、インフラシェアリングに走るのは理解できる。 ただ、NTTドコモは「ネットワーク競争は終焉した」として、自前の基地局を売却。真っ先にインフラシェアリングの導入を進めたらネットワーク品質の低下が起き、ユーザーの不満を買った。 5G JAPANを展開するKDDIとソフトバンクもNTTドコモの二の舞になったりしないのか。

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