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第346号.加給年金は配偶者が65歳になったら消滅してしまうはずなのに、なぜこの夫婦にはずーっと付きっぱなしなのか(超重要!)

事例と仕組みから学ぶ公的年金講座
こんばんは! 年金アドバイザーのhirokiです。 ーーーー 1.65歳になった時に65歳未満の配偶者がいれば誰でも約40万の加算が付くのか。 ーーーー (以下は夫に加給年金が付く流れで書いていますが、夫を妻に書き換えて考えても構いません) 65歳になると国民年金から老齢基礎年金、厚生年金や共済からは老齢厚生年金が支給されるようになるのが基本となりますが、この時点で65歳未満の生計維持している配偶者がいると老齢厚生年金に配偶者加給年金(令和6年度は408,100円)が加算される場合があります。 年金を貰うという際にはこの加給年金の事がよく関わってきます。 なお、加給年金は65歳未満の配偶者がいれば誰にでも加算されるわけではなく、一定の条件があります。 簡単に言うと、 ア.厚年期間(平成27年10月1日以降の受給権発生の人は共済期間合わせてもいい)が20年以上ある事。 イ.65歳時点で生計維持している65歳未満の配偶者がいる事。 ウ.65歳未満の配偶者が20年以上の厚年期間(共済合わせて)のある厚生年金を受給していない、もしくは障害年金を受給していない事。 などの条件があります。 よって、配偶者加給年金を受給したいのであれば65歳到達時にせめて年下の配偶者がいて、自分の厚年期間を20年以上にする必要があります。 厚年期間が20年以上ないのであれば原則としては加給年金は付きません。 また国民年金だけの事が多い自営業者の人などには、国年のみの期間が20年以上あってもそのような加算は存在しません。 しかしながらどうして厚生年金は20年以上の期間があると配偶者加給年金という家族手当のようなものが加算されるのでしょうか。 結論を言うと妻子の生活費まで面倒を見る「世帯単位の年金」だからです。 国民年金は個人単位の年金だから、自分の分しか支給されない。 さて、厚年においては昭和61年3月31日までの旧年金時代まで遡る必要があるのですが、旧年金時代の厚生年金の考え方は夫が外で働いて厚生年金保険料を払い、妻は家事をやるという家族の役割分担が色濃い時代でした。 何度か書いてきた事なのですが、当時のサラリーマンや公務員の夫の専業主婦は国民年金には加入する必要がなく、本来は強制加入なのですが強制加入にはしていませんでした(自分の意思で任意に加入する事はできた)。 つまり専業主婦は将来は無年金で構わないという考えでした。 なぜかというと夫が厚生年金を受給するようになれば、その厚生年金で妻の生活費も賄うというものだったからです。

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