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知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
vol. 228
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みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。
今回は、中国のNEV市場の普及シナリオを振り返ります。
ここのところ、新エネルギー車(NEV)の話題が連続してしまっていますが、中国のNEV市場は重要な局面を迎えています。4月上旬の2週間で、新車販売に占めるNEVの販売台数が初めて50%を超えたのです。これは、NEVが主流になるということで、非主流である燃料車は今後減少をすることになるティッピングポイントを超えたことになります。「燃料車の末日が見えてきた」とまで書いている中国メディアもありました。
一方、日本のメディアを見ると、あいかわらず「EVの失速」関連の記事が並んでいます。米国では確かにその通りで、欧州でもEV補助金の切れ目にあたるためEVの売れ行きが停滞をする傾向が出てきています。
その点では、間違ったことは報道されていないのですが、ついには「中国市場のEVまで失速」という記事が現れ始めています。いったい、中国NEV市場について、中国メディアの伝える内容と日本メディアの伝える内容のどちらがほんとうなのでしょうか。
気をつけて日本メディアの記事を読んでみると、「ハイブリッド」という言葉を実に曖昧に使っていることに気がつきました。ハイブリッドと言われれば、日本人の多くがHEVを想像します。これは本質的には燃料車であり、電気を補助に使うアシスト型ハイブリッドです。
一方、プラグインハイブリッド(PHEV)もあります。PHEVは、短距離はEVモードで走行し、長距離は燃料車モードで走行するというスイッチ型のハイブリッドで、中国と国際エネルギー機関(IEA)では、NEVのひとつとして定義をされています。
記事の中には、この区別を曖昧にし、中国でもアシスト型ハイブリッド(HEV)が売れているかのように誤解しかねないものもありました。
そこで、今回は、まずこのハイブリッドにはどんなものがあり、どんな違いがあるのかを復習します。それから、中国でEVシフトがどのように進んできたのかを振り返ります。日本のSNSを見ても「今はEVを選択しない」と言っている方は多いですが、同時に「(全固体電池が登場するなど性能があがれば)EVになる」と言っている人も多いですから、日本もいつかはEVシフトをすることになるわけです。その時、どのようなシナリオで進むことになるのか、中国のEVシフトを振り返り、日本のEVシフトが始まった時の参考にしていただければと思います。
今回は、ハイブリッド車について復習をし、中国のEVシフトのヒストリーを振り返ります。
知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 228
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▼目次▼
EVの普及シナリオはどのようになるのか。中国のEVシフトを振り返る
小米物語その147
今週の「中華IT最新事情」
次号以降の予定
Q&Aコーナー
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EVの普及シナリオはどのようになるのか。
中国のEVシフトを振り返る
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今回は、中国のEVシフトの過程を振り返ります。
こういう仕事をしているため、中国のメディアは毎日読みます。一方、日本人ですから日本のニュースも毎日読んでいます。すると、中国の報道と日本の報道がまったく違いすぎて、まるでパラレルワールドの間に落ち込んだような気分になることがあります。
日本のメディアでは「世界的なEVの失速」が毎日のように報道されています。しかし、中国ではどこ吹く風で、4月上旬には新車販売に占める新エネルギー車(NEV)販売台数が50%を初めて超え、重要なティッピングポイントを超えたと報道されています。中国は2035年までに新車販売に占めるNEV割合を100%にする目標を立てていますが、その中間目標が2030年にNEV50%でした。今回50%を超えたのは瞬間風速のようなものなので、まだ上下することがあるかと思います。しかし、年内には50%を超えることがほぼ確実となり、中間目標を6年も前倒しで達成したことになります。
この50%が重要なのは、これ以降はNEVが主流となり、燃料車(ICE)とハイブリッド車(HEV)が非主流となり、自然にNEVが増えていくことになるからです。「重要な里程を通過した」とメディアは書き、中には「燃料車の末日が見えてきた」と書いているメディアもあります。
中国の報道がおかしいのでしょうか。それとも、日本の報道がおかしいのでしょうか。
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