今回は、ここ数ヶ月のジェットコースターのような変化の日々について、かいつまんでご説明します。
「海外研究生活30年目の帰国」
それは、ニューヨークからの長いフライトのあと、ドイツのデュッセルドルフに予約してあった宿舎に到着したばかりのタイミングでした。長旅のせいでフラフラしながら旅行カバンをほどきつつ、ベッドに腰掛けていたそのときです。
「ヒロさん、いま良いですか?」
携帯電話のフェイスブック・メッセンジャーにDM(ダイレクト・メッセージ)が届いたのです。東京の山本浩司君からでした。普段からしばしば連絡を取りあうという関係だったわけでもない彼から、宿舎に着いて休息している、そのタイミングをあたかも見計らったような着信に、ちょっと驚きました。
そもそも今回のベルギー・ドイツ遠征は、古代ギリシア・ローマから初期近代ヨーロッパまでの多様な時代や文化圏における精気(プネウマ、スピリトゥス)の概念についての国際会議に参加するという目的をもっていました。それは2023年12月にベルギーのルーヴァン大学で行なわれる予定で、講演者のひとりとして研究発表をするために僕は招待されたのです。
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