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「野球消滅」から「再興」へ ベースボール2.0 MLB2024韓国ソウルシリーズ開幕 野球復活への道筋
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メジャーリーグの国際化の新たな取り組みがスタートする。MLB は20日、韓国ソウルの高尺スカイドームで、サンティエゴ・パドレス-ロサンゼルス・ドジャースの開幕カードをスタート。
開幕戦にはパドレスのダルビッシュ有投手が先発、2戦目にはドジャースの投手として山本由伸が指名され、巨額契約を勝ち取った大谷翔平選手とともに、試合を彩る。
メジャーリーグの国際展開は、今回が初めてではない。1990年代以降、競技の普及や選手発掘をもくろみ海外展開を加速。
90年に米国・カナダ以外では初の公式戦となったメキシコを皮切りに、米自治領プエルトリコやオーストラリアでも試合を行ってきた。東京でも2000年に初めて公式戦を開催。来年も開催が検討されている。
MLB は、莫大な放映権料収入に支えられ、 22年の総収益は108億ドル(約1兆6000億円)にまで拡大。一方、米国内で球場に足を運ぶ人の数は伸び悩む。
22年の有料入場者数は6445万6658人。コロナ禍の感染拡大の影響で入場制限があった20~21年を除くと、1998年以降で最小にまで落ち込んだ。
一方、日本のプロ野球(NPB)の2022年の公式戦の入場者数は計2107万1180人。12球団各143試合のNPBと、MLB30球団162試合という数値を比べれば NPB と MLB の入場者数は、1試合あたりでみてもそう変わりない。
目次
・韓国の野球再興を目指して
・野球 国際化の現在地
・5人制野球 「ベースボール5」注目
・韓国の野球再興を目指して
今回、メジャーリーグが海外展開とともに背負う任務は、「韓国の野球再興」だ。
約3600人。これは韓国で高校野球をプレーする人の人数だ(1)。対して日本の硬式野球部員は14万3867人だった。
現状、韓国のプロ野球は「小数精鋭のエリート主義」という側面が強い。韓国の高校野球児はほぼすべてプロ野球を目指すという(2)。
スポーツは大学進学や兵役免除の手段という側面も強い。競技としての裾野の広がりも不十分で、
「大枚をはたいて試合見てくるような”コア層”は生まれにくい」(3)(名城大・鈴村裕輔准教授)
というのが実情だ。
17日にスカイドームで行われたドジャース-キウム(韓国プロ野球チーム)の試合は約1万8000人の収容人数に対し、観客や1万4600人といやや空席が目立った。
優秀な選手の供給源である韓国の事情は、MLB も懸念するところ。韓国は過去、アジアでは日本に次ぐ強豪国としてメジャーリーガーも多く輩出してきた。MLB側も熱心なのもうなずける。
・野球 国際化の現在地
MLBの国際化戦略は決して順調とは言えなかった。MLBは、初め、中国市場へ進出。2008年の北京夏季オリンピックを機に、中国で野球を広めるための熱心な取り組みを開始したものの、野球の人気は伸び悩む。
対照的に同じ時期にNBAで中国出身の姚明選手が活躍し、バスケットボールの人気が高まっていく。
その後、MLBは欧州に目を向け、イタリアを含む各地でアカデミーを設立し、才能の発掘と新たな市場の開拓に取り組む。
そして2019年には、英ロンドンでメジャーリーグの公式戦が初めて開催。イギリスは野球のルーツとも言えるクリケットの発祥地であるため、野球の普及に期待が寄せられる。
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