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羽田空港衝突炎上事故 様々な論点 機能しなかった多重保護 「優先されるべきは事故調査」
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1月2日に起きた羽田空港のJAL機(日本航空)と、離陸をしようとした海上保安機の衝突炎上事故は、2名の死亡者を出した。炎上事故は、複数の要因が絡み合って発生。
主な論点としては、海上保安機の滑走路誤進入、管制の監視不足、JAL操縦士の海上保安機未確認がある。
また、最新鋭であるJAL機のヘッドアップディスプレイによる視認性の低下や、羽田空港の過密問題、A350機体の特性、ペットの持ち込み問題なども論点となった。
航空業界では多重防護(セーフティーネット)が重視されているものの、今回はそれが機能しなかった。今回は、その点についても解明が待たれる。
他方、事故調査と警察による捜査の進行方法についても議論が。
現役のパイロットなど航空関係者でつくる団体が緊急声明を発表した。国の運輸安全委員会による事故調査のほか、警察による捜査が実施されているが、「優先されるべきは事故調査だ」と訴えた。
衝突炎上事故は、航空安全に対する多角的な検証を必要としている。
目次
・衝突事故をめぐる主な論点
・機能しなかった多重保護
・「優先されるべきは事故調査」 日本は国際民間航空条約の規定から逸脱
・衝突事故をめぐる主な論点
今回の事故ではさまざまな問題が複合的に絡み合っている。
第一にヘッドアップディスプレイの問題だ。JAL機(日本航空機)のエアバスA350は最新機種であり、コックピットのフロントガラスにヘッドアップディスプレイが映し出される仕様になっている。
そこには機体の高度や速度などが映し出されるのであるが、それが故に夜の滑走路上に止まっている海保機の視認を妨げていた可能性も捨てきれない。
事故では羽田空港の「過密ぶり」も問題となった。しかしながら、メディアで報道される「羽田空港は世界で3番目に過密」というものは、実際には、空港に就航した旅客機の「提供座席数」で算出されるもの。
実際には過密ぶりは離着陸数でカウントされるべきであり、それによると羽田空港の離着陸回数は世界で18番目。確かに過密は過密であるものの、まだ他にも混雑している空港は多数ある。
また、A350の機体は、金属製のものよりも燃え尽きにくい炭素繊維でできていた。しかし、機体が燃え尽きたせいで、その効果のほどは、今後検証が待たれる。
事故をめぐっては、機体へのペットの持ち込みも議論を呼んだ。アジア地域では、韓国がペット同伴搭乗サービスを提供する航空会社が最も多い。
中には、「緊急時や異常時にペットが一緒に逃げられない」との意見があるが、実際には「ケース・バイ・ケース」とのこと。
・機能しなかった多重保護
空港では通常、異常を防ぐための複数の安全対策(セーフティーネット)が整備されているが、今回はそれらがどれも機能しなかった。
元管制官の田中秀和氏によれば、今回の事故を防ぐために少なくとも3つの安全対策が用意されていたとのこと(1)。
まず、海保機の乗員が離陸の際、滑走路に進入するとき、周囲の航空機に気付けなかった点。通常、滑走路へ進入する際には周囲を目視で確認する。
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