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『グーグル日本法人元社長 辻野晃一郎のアタマの中』
~時代の本質を知る力を身につけよう~【Vol.44】
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【今週号の目次】
1. 気になったニュースから
◆ 米Z世代に人気のDumb Phone(おバカ携帯)
2. 今週のメインコラム
◆ スーパー・エイジャーへの道:その4
3. 読者の質問に答えます!
4. スタッフ“イギー”のつぶやき
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1. 気になったニュースから
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◆ 米Z世代に人気のDumb Phone(おバカ携帯)
いつの時代、どんな分野にも逆張りニーズや懐古ニーズといったものがありますが、今、米国のいわゆる「Z世代」の若者たちにDumb Phone(おバカ携帯)と呼ばれる通話、メール、アラーム、スケジュール管理程度の簡単な機能しかないシンプルな携帯電話が静かなブームになっているようです。
このブームを受けて、スマホ販売のLight社が、人気ラッパーのケンドリック・ラマーとコラボしてデザインした「Light Phone II, Kendrick Lamar limited edition」を昨年11月に250台限定で売り出したところ、即日完売したそうです。機能は、通話、アラーム、音楽、メモ機能のみで、サイズはクレジットカード程度で軽く、アドレス帳には9人しか登録できません。もともと「Light Phone II」は、米クラウドファンディングIndiegogoを利用して350万ドルを集め、2019年9月に発売されました。
Light社は、2人のデザイナー、ジョー・ホリアーとカイウェイ・タンの出会いを起源として設立されました。初期モデルの「Light Phone」は、2015年6月にクラウドファンディングKickstarterで資金を集めて作りましたが、販売が目的というよりも、「スマホがないと人はどれくらい不安になるか」を調査する実験を目的にしたそうです。しかし、想定以上の40万ドルが集まり、価格150ドルで15,000台が売れたそうです。2人はそこで受注を停止しましたが、ウェイティングリストには50,000人が登録し、中古市場では3倍の値段が付いたそうです。
人気の背景には、デジタル疲れした若者たちのデジタルデトックスへのニーズやプライバシーへの懸念の広がりなどがあるようです。Z世代やそれよりも1世代上のミレニアル世代は、いわゆるデジタルネイティブ、ネットネイティブなどとも呼ばれていて、デジタル機器やSNSを使いこなしている世代ですが、一方で――
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