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高野孟のTHE JOURNAL Vol.619 2023.9.18
※毎週月曜日発行
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《目次》
【1】《INSIDER No.1225》
フォーチュン世界企業ランキングに見る日本経済の現在
地点/辛うじて世界第3位を維持したけれども……
【2】《CONFAB No.585》
閑中忙話(9月17日~23日)
【3】《FLASH No.533》
タカ派で軽佻浮薄な木原稔防衛大臣という内閣改造人事
の危うさ/日刊ゲンダイ9月21日付「永田町の裏を読
む」から転載
■■INSIDER No.1225 23/09/25 ■■■■■■■■■
フォーチュン世界企業ランキングに見る日本経済の現在
地点/辛うじて世界第3位を維持したけれども……
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
今年も米経済誌「フォーチュン」恒例の「世界企業ラ
ンキング500」が発表された。同種のデータには、英紙
「フィナンシャル・タイムズ(FT)」や米誌「フォーブ
ス」によるものなどもあり、「フォーチュン」が売上高
+利益を中心に見るのに対し、FTは時価総額で、「フォ
ーブス」は売上高+利益だけでなく資産、時価総額を独
自に指標化するなど、手法に違いがあるので結果は一様
ではないが、「フォーチュン」のそれは単純明快で分か
りやすいので、各国経済の量と質の変化を大まかに見極
めるには便利である。
●30年近く前には米国を凌ぎそうだったのに
よく知られているように、同誌が今の形式でのこのラ
ンキングを最初に発表したのは1995年で、これは1994年
の企業実績を元にした数値だったが、その当時の日本は
と言えば、すでにバブル崩壊が始まっていたもののまだ
地獄の深淵は見ていない、夢うつつ状態の終わり近い
頃。トップ500に入った企業の国別の数を見ると、米国
が最多で151社であったのに対し、それに肉薄したのは
日本で149社。企業別で500社中のNo.1に輝いたのは三菱
商事で、さらに三井物産、伊藤忠、住友商事、丸紅、日
商岩井(後の双日)を含め日本の大手商社6社が揃って
ベスト10に並び、「貿易立国=日本」の栄光を謳歌する
かのようであった。しかもこの時、日本企業149社の売
上高合計3兆8057億ドルは、米国企業151社の2兆9394
億ドルを大きく上回っていて、エズラ・ヴォーゲルが
1979年に予言した「ジャパン・アズ・ナンバーワン」が
正夢となる瞬間が迫っているようにさえ思えたのであっ
た。
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