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拉致被害者2人が秋に帰国し、解散・総選挙!?(下)/有田芳生の「酔醒漫録」第27号

有田芳生の「酔醒漫録」
▼ 第27号 2023/7/7 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 有田芳生の「酔醒漫録」 *毎週金曜日発行* ━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆目次 1・「評言独語」──拉致被害者2人が秋に帰国し、解散・総選挙!?(下) 2・「酔醒漫録」──6月30日〜7月6日 (『オウム“大執行”と私』/インドが人口で世界一に/安倍晋三銃撃事件に別の犯人?など) ★発売中の有田芳生著書★ ・『改訂新版 統一教会とは何か』(大月書店 2022/9/21発売) http://www.otsukishoten.co.jp/book/b610995.html ・『北朝鮮 拉致問題 極秘文書から見える真実』(集英社新書 2022/6/17発売) https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-721217-4 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1・「評言独語」──拉致被害者2人が秋に帰国し、解散・総選挙!?(下) ━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼東南アジアでの水面下交渉を前提に岸田総理が「直属のハイレベル協議」と発言したのは、5月27日。北朝鮮は2日後に外務次官談話を出して、これまでと同じく「拉致問題は解決済み」としながら、「朝日が会えない理由はない」とした。ところが日本政府が6月29日に「拉致問題に関するオンライン国連シンポジウム」をアメリカ、オーストラリア、韓国、EUと共催で開く前日に、朝鮮中央通信はこの会合を主導した日本政府に対して批判談話を公表した。外務省のリビョンドク日本研究所研究員は、〈日本人らが言っている「拉致問題」について言うなら、われわれの雅量と誠意ある努力によって、すでに逆戻りできないように最終的かつ完全無欠に解決された〉〈日本が実現不可能な問題を旧態依然として前面に掲げ、国際舞台に持ち歩くのは無駄な時間の浪費であり、「前提条件のない日朝首脳会談」を希望すると、機会あるたびに言及している日本当局者の立場を自ら否定するのと同じである。〉北朝鮮側にすれば「前提条件のない日朝首脳会談」を求めていながら、拉致問題を前提にしているではないかという。ある政府関係者は「本音をいえば北朝鮮が総理に前提条件なしですぐに訪朝してくださいと言ってきたら困りますよ」と私に語った。なぜかといえば「前提条件なし」で首脳会談などできるはずがないからだ。首脳会談の前には必ず議題が設定される。当たり前のことだ。 ▼北朝鮮外務省の日本研究員の談話に対して、日本政府は沈黙している。シンポジウムで松野博一官房長官は、「総理の決意をあらゆる機会を逃さず金正恩委員長に伝え続けるとともに、首脳会談を早期に実現すべく、岸田総理直轄のハイレベルで協議を行っていきたい」と公式見解を語るだけだった。そもそも日本政府のルートが北朝鮮トップにつながっているかも確認できていない。メディアは遠慮して報じないが、……

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  • 有田芳生の「酔醒漫録」
  • 2000年からブログに日記を書いてきました。思いは「私家版現代史の記録」です。「日記は書いておかないと不安なんだよ。忘れてしまうと消えてしまうから、自分が生きていて、あのころはどうだったというのを忘れるのが不安なんだよ」(渡辺京二『幻のえにし』)。同感です。私が綴るのは、メディアを中心に仕事をする一個人の眼から見た世界と日本です。「酔醒」は、酔ったり醒めたりという意味で、中国の「梁書」に記述されています。「漫録」は随筆の意味です。人生は、酒を飲まずとも「酔ったり醒めたり」の繰り返し。同時代に生きる皆さんにリアルな情報を提供、共有し、しなやかで強靭な精神をお互いに涵養していきたく思います。
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