◆◆ 前立腺がん治療の基礎の基礎 その15 神経内分泌がんとは? その1 ◆◆
神戸で日本泌尿器科学会総会が開催されました。
前立腺がんに関しては、ゲノム診断(遺伝子診断)、そしてその結果から治療への応用に関する報告が多い印象でした。
私Uromasterの目をひいたのは、神経内分泌がんに関する発表、講演、解析結果の報告です。
今年は、神経内分泌がんの報告が多かった。
AI、Artificial Intelligence(人工知能)の医療への応用も、今回話題になっています。
ゲノム診断(遺伝子診断)とは、BRACAnalysis診断、前立腺がんの生検標本や転移組織のゲノム診断(遺伝子診断)を行い、どんな遺伝子異常があるかを解析するものです。
まだ、ゲノム診断結果が、なかなかいい治療に結び付きませんが、プレシジョンメディシンへの足掛かりとして、今、世界中で、解析、臨床試験が行われています。
治療に結び付くのは40%前後のようです。
BRCA遺伝子変異陽性であれば、リムパーザ(一般名オラパリブ)が、他の治療より有効というのが、わかっています。
一つのプレシジョンメディシンとして、実際の医療に使えるようになりました。
MSI-Highのゲノム診断(遺伝子診断)であれば、キイトルーダが、効果的といわれています。
プレシジョンメディシン、個別化医療と大袈裟ですが、治療で、遠回りしないという意味では画期的です。
問題は、必ずしも、根治治療とまではいかないことです。
今まさに、端緒についたばかりという状況です。
◆◆ 前立腺がん治療の基礎の基礎 その15 神経内分泌がんとは? その1 ◆◆
今回の学会で、目についたのは、様々な施設からの
『神経内分泌がん(小細胞がん)』
に関する研究解析結果です。
泌尿器科医も、ようやくこの『神経内分泌がん(小細胞がん)』に注目し、
本腰をいれ始めたということでしょう。
泌尿器科医もというのは、理由があります。
神経内分泌がんを知らない泌尿器科医が多いということ。
非常に稀で、その存在は知っていても、前立腺がんの診断治療に考慮しなくていいと考えている泌尿器科医が多いこと。
他の消化器や、肺臓などの臓器では、よくあるがんで、内科医や外科医では、よくみる疾患。
私Uromasterも、以前からこの神経内分泌がんには、着目していました。
この疾患は、泌尿器科医のなかでも、理解が足らず、診断が遅れる患者さんが多いことに気付いていました。
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