『週刊朝日』が廃刊になったそうだ。
紙文化は終わりに近づいているのかもしれない。
ただ、私の印象では、客層のミスが大きいと見ている。
昔『現代』(のちの『月刊現代』)という雑誌があった。堺屋太一さんの『団塊の世代』が連載された名門雑誌だ。
90年代後半に私が書かせていただくことが多く、その頃から、高齢者が増えたのだから、大学型医療より長野県の地域医療を見習えというようなことを書いていた。私の文壇デビューのような雑誌だった。
当時の編集長に可愛がられて、よく書かせてもらっていたが、その時に担当編集者に言われたのは、いろいろスクープを出したり、重鎮のノンフィクション作家に書いてもらったり、政界トップのインタビューなどをしているが、実は和田さんの記事が人気アンケートトップなんですよと。
人気アンケートは少数のその雑誌のファンが書くし、どちらかというと暇になった高齢者が書くので、実態をどの程度反映しているかわからない。
次の編集長に気に入られなかったようで、私もほとんど執筆の機会はなくなった。
その後、『月刊現代』と名を変え、2009年に実質廃刊(今回の週刊朝日もそうだが、廃刊といわず、休刊という)になった。
読者の高齢化が原因とされているが、高齢者に向けて、もっと健康・医療をテーマにするようにシフトできていれば生き残っていたかもしれない。
『週刊朝日』も同じだ。表紙を見ればわかるように、買いそうにない若者や中年層を狙ってこけたようにしか思えない。
ライバル誌に『サンデー毎日』がある。ここもいつ休刊になってもおかしくないと以前から言われていた。昨年は何回か記事を書かせてもらったが、その号はいつもよく売れたらしい。さらなる開き直りを期待したい。
実際、『プレジデント』のような経済誌でも私が出ると売れて、それが特別号として再発売されたりしている。
自慢しているようだが、『80歳の壁』が年間ベストセラーになったように、ちゃんと高齢者のためになるものを載せれば、読者はついてくるはずだ。広告が取れないという思い込みで、読者層を低めに設定しても、WEBには勝てない。出版というものを生き残らせたいなら、ちゃんと高齢読者を大切にすべきだ。広告がとれないのも、広告主がバカだからで、高齢者のほうがはるかに使える金が多い。
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