日本人が中国の話題に触れるとき、よく使うフレーズがある。
「とはいえ日本は、中国とは経済の面で切っても切れない関係だ」
当然、この前には中国と付き合いたくない多種多様の理由が並ぶ。「経済の関係さえなければ……」という意味にも聞こえる。
関係を切るとか切らないとか、そうした発想そのものが子どもっぽく、外交には相応しくない。また、対立を前に、すぐに「どちらが正しいのか」という判断をしようとすることも、日本の悪しき傾向だ。
居酒屋で酔っ払いがする議論ならばよいのかもしれないが、国と国との関係では国益を基準にする以外のことは避けるべきだ。
世界のほとんどの国は、自らを取り巻くさまざまな要素を組み合わせ、計算した上で、まず自国の利益を取りに動く。つまり、「とはいえ……」ではなく、経済関係が太いのであれば、徹頭徹尾それが判断のど真ん中に置かれるのが普通だ。
世界と日本のズレを意識させられる、アプローチの違いだ。
ちょうど年末でもあり、今年一年を締めくくる意味でも、今号では外国と向き合う日本の特殊性に焦点を当ててみたい。
実は、日本人と中国人を比較しようとしたとき、この視点から見ると、違いはより鮮明となる。
例えば、先日会った中国人のA氏の、こんな質問だ。
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