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第271号. 在職中の65歳以上の人は毎年12月振込の年金額が増えていく在職定時改定と、従来の年金額変更。

事例と仕組みから学ぶ公的年金講座
こんばんは! 年金アドバイザーのhirokiです。 ーーーーーーー 1.男子と女子で年金貰う年齢が違っていた理由と、平等への変化。 ーーーーーーー 65歳以上でも厚生年金に加入して働く人が多い時代となり、昔のようにもう60歳になったら引退して年金生活に入るという価値観は随分と薄れていきました。 昭和時代と言えばまだ定年が55歳の時代であり、早々と現役から引退するのが当然でありました。 厚生年金は男子は60歳から、女子は55歳からというものでしたがこの支給開始年齢は繰上げ繰下げをしないならば今では65歳から貰うという形に変わりつつあります。 ちなみに厚生年金は昔から男子は60歳で女子は55歳からだったのというと、そうではありませんでした。 男子は昭和29年5月の厚生年金大改正の時に55歳から60歳へと引き上げられ(昭和32年から昭和48年の16年間で段階的に引き上げた)、女子は昭和60年の年金大改正の時に55歳から60歳へと変わりました。 昭和29年の年金大改正の時に既に、高齢化が進むという見通しになっていたので、早い段階で男子の支給開始年齢を55歳から60歳へ引き上げたわけです。 でも男子より女子の方が長生きする人が多いから、女子を引き上げたほうがいいのでは?という疑問を持たれる事もありましたが、当時は女子が厚生年金に加入して年金を貰うための20年以上を満たす人が本当に少なかったので、財政的に女子は55歳のままとされました。 (昭和61年以前の旧時代の厚生年金を貰える男性は66%ほどありましたが、女子は10%程度だったと言われており、そのくらい違いがあったという事です) そんな女子も昭和60年度から平成11年度(昭和74年)にかけて60歳へと引き上げられました。 男女平等の法整備もされ始めたので、もう男女で差を付けるのはやめようという事ですね。 女子の引き上げスケジュールを軽く説明すると、昭和63年に56歳、平成3年に57歳、平成6年に58歳、平成9年に59歳、平成12年度以降は60歳に引き上がりました。 なお、この女子引き上げ真っ只中である平成6年の時に、厚生年金の60歳から65歳への引き上げスケジュールが決まりまして、男子は平成13年4月からで女子は平成18年4月から61歳以降になっていくという事が決まりました。 なんかココは男女で5年違いますよね。 それは平成6年時点ではまだ女子は先ほどのように55歳から60歳への引き上げ段階であり、ようやく引き上げ完了するのは平成12年度以降でした。 女子は平成12年にようやく一息ついたのに、平成13年になったら男子と一緒に次は早速60歳から65歳に引き上げようとなると息つく暇もないですよね。 よって、65歳引き上げが決まった平成6年改正から平成11年まで女子の引き上げ中だった5年間を猶予として、男子よりも5年遅らせて支給開始年齢を60歳から65歳へと引き上げる事にしました。 なので、男子よりも女子が5年遅れて支給開始年齢が進行しています。 女子を優遇するために5年遅れにしたわけではないです^^;

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