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レイラインハンター内田一成の「聖地学講座」
vol.246
2022年9月15日号
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◆今回の内容
○諏訪から再び諏訪へ、旅日記的に
・諏訪神の道筋を追って
・わらじの神と花祭
・旅の仕上げに、再び諏訪に出会う
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諏訪から再び諏訪へ、旅日記的に
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第241回「根源神を求めて」では、縄文時代からの記憶を残すミシャグチ神とそれが息づく諏訪について触れましたが、今月の3日と4日の両日は、それを実地に訪ねて感じるワークショップでした。
初日は、縄文遺跡が数多く残り、「縄文のビーナス」と「仮面のビーナス」という国宝の土偶の発見地でもある八ヶ岳山麓のベースで座学の後にフリートーク。縄文人たちが暮らしたまさにその場所で、焚き火を囲み、八ヶ岳から吹き下ろしてくる風を感じながら、想像を巡らせていると、1万年という長大な時間の隔たりを簡単に超えて、傍らに縄文人たちがいて、ともに取り巻く自然に共感しているような気分になります。そして、言葉では言い表せない「ミシャグチ」という根源神のたしかな気配が迫ってきます。
二日目は、諏訪大社の上社前宮と上社本宮、それに神長官守矢史料館を巡りました。今年はちょうど御柱の年に当たり、古い御柱から削り出されたこの年だけの御札が配布されます。それを参加者みんなで購入し、ツアーの目印のように首から下げ、スマホのアプリを使って社の構造を解析しながら、諏訪大社に秘められた謎を考えました。
なぜ諏訪には御柱という不思議な祭りがあるのか? そしてその祭りが意味するものは何なのか? それは諏訪神の依代であるとされるけれど、本当は、ここに眠る古層の神を封じるための結界ではないのか。
諏訪大社の神官は大祝と神長官の二重体制になっているのはなぜなのか? それは、同じ地で二つの神をそれぞれが祀ることを示しているのではないか。そして、上社本宮が本殿を持たず、前宮を拝する構造になっていることが、それを暗示しているのではないか。
諏訪に秘められた謎は多彩であり、また奥深く、とても一日二日ではその核心にまでたどり着くことはできません。しかし、現場で方位を手がかりに読み解いていくと、その片鱗が見えてきます。
ふつうの観光ガイドや神社の解説本などでは、ただ日本神話の国譲りのエピソードに登場するタケミナカタを祭神として、さらにその后神であるヤサカトメを祀るとあるだけで、この神社の本質の片鱗すら感じられません。そうしたことは、この諏訪大社に限ったことではなく、どこでも同じです。ただ御朱印のスタンプラリーをするだけなら、神社の本質なんてどうでもいいのでしょうけれど…。
私は、もう幾度となく諏訪を訪ね、諏訪大社四社だけでなく、関連する物件をくまなく巡っていますが、それでもまだまだ謎は尽きず、訪ねる度に興味が募っていきます。そんな私の感化もあってか、参加してくれた方々が楽しんでくれたようで、とても充実したツアーとなりました。
そんなツアーが終了して、私はそのままツーリングマップルの取材の道を辿りました。今回は、少し力を抜いて、そんなツアー後の私の旅振り返りながら、そこで体験した不思議な縁について触れてみたいと思います。
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