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高野孟のTHE JOURNAL Vol.556 2022.7.4
※毎週月曜日発行
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《目次》
【1】《FROM THE EDITOR》
退院その後(4)ーー病気のデパート
【2】《INSIDER No.1162》
米軍産複合企業が推進した「NATOの東方拡大」/バイデ
ンは上院議員当時からその手先だった!
【3】《FLASH No.458》
ネオコン勢力が取り仕切る「戦争研究所」の分析を鵜呑
みにしていいのか/日刊ゲンダイ6月30日付「永田町の
裏を読む」から転載
【4】《SHASIN No.470》付属写真館
■■INSIDER No.1162 22/07/04 ■■■■■■■■■
米軍産複合企業が推進した「NATOの東方拡大」/バイデ
ンは上院議員当時からその手先だった!
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先々週と先週の本誌で冷戦後の旧東欧・ソ連圏に群が
る広告代理店や民間軍事会社について述べ、また先週発
売の「日刊ゲンダイ」コラムでは日本の大手マスコミが
頼りにする米シンクタンク「戦争研究所」の正体につい
て一端を明らかにした(本号FLASH欄参照)。それらに
ついて知人や読者から「マスコミでは触れられないこと
なので、もっと詳しく書いてほしい」という要望が寄せ
られた。そこで今号では、改めてそもそもに立ち返っ
て、「NATOの東方拡大」という米国のポスト冷戦外交の
中心戦略が、世界最大の軍需企業「ロッキード・マーチ
ン」社を筆頭とする米軍産複合企業によって発案され推
進され実現してきたものであること、バイデン大統領は
上院議員の時代からその熱心な同調者であったこと、そ
れらの結末として現在のウクライナ戦争の悲惨があるこ
とーーを述べよう。
●旧東欧という兵器新市場に目が眩み
冷戦が終わると、統合参謀本部議長であり後にブッシ
ュ子政権の国務長官になったコリン・パウウェルの率直
な言葉によれば、「米国は敵に事欠きつつあった」
(A・ファインスタイン『兵器ビジネス』下巻、原書
房、15年刊
https://amzn.to/3y6bjNe )。当然のこと
ながら米国の国防支出は大幅に削減され、米軍需産業は
大掛かりな整理・再編を迫られた。その中でロッキード
とマーチン・マリエッタの大型合併により95年に「ロッ
キード・マーチン(LM)社」が誕生し、以後、今日に至
るまで同社はダントツの世界ナンバーワン兵器メーカー
の座(写真
https://bit.ly/3OIXewb )を維持してい
る。
この合併の立役者で合併後のCEOに就いたのは、ロッ
キード社出身のノーム・オーガスティンで、彼は後にブ
ッシュ子から「国防長官になってくれないか」と言われ
たが断って、「貿易のための防衛政策諮問委員会
(DPACT)」の委員長、「国防科学評議委員会」の委員
長、「米国陸軍協会」の会長などとして、周りから政府
と議会を操る方策を選んだ。
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