最近、中国経済の専門家たちと意見交換する機会を持った。
興味深かったのは、そこで話をした人々の何人かが、このところ国務院が発表する統計に明らかな変化が見られると指摘したことだった。どこが変わったかといえば、統計のなかで農業に関わる数字が目立って増えた、というのだ。
もちろん農業政策(農村問題も含めて)は中国共産党にとっての「1丁目一番地」。言うまでもなく最重要テーマだ。毎年、春節後に発表される「一号文献」が必ず農業政策に関わるものであるのは象徴的だ。しかし、とはいってもそこは本音と建前である。貿易や工業生産の華々しい数字の前に隅の置かれてきたのが実態だった。
だが昨今の傾向は、それとははっきり区別されるのだ。
豊作に恵まれた、種付けが終わった、機械化の割合が上昇した、新しい生産方法が生かされた……。たしかに国家統計局な公表する数字のなかでも、その傾向は明らかだ。上海を筆頭にロックダウンが続き、消費や貿易、工業生産が落ち込み、芳しい数字がなくなったため農業生産でお茶を濁そうとしているとの見方もあるが、どうやらそうでもないようだ。
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