ロシアがウクライナに侵攻して以来、日本には「一億総軍事評論家」といった現象が広がっている。自らの安全に敏感であることは大切なことだが、それが「力には力だ」、「憲法を改正しろ」といった短絡的な話に終始するようならば、少し残念だ。
バランスを欠いた議論の先にあるのは、安全保障のディレンマに陥り、経済発展の資源を防衛費につぎ込んだ挙句、国力を失ってゆくという結末だ。
最悪なのは、日本が変化する過程で疑心を膨らませたどこかの国との間で緊張を膨らませ、最終的に「本来しなくてよい戦い」に突入してしまうシナリオだ。
本来、世界が不安定であればあるほど、冷静を心掛けなければならない。なぜ人類が「外交」という手段を獲得したのか。また日本経済の奇跡的な発展はどんな環境下で達成されたのか。見つめ直すときだ。
しかし現状は残念ながらタカ派的な熱狂が支配的だ。
岸田首相自ら出席したアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアログ)で「ウクライナは明日の東アジアかもしれない」と軽々しく言い放ってしまうのだから、国民に冷静を、といっても説得力はない。
さて、後ろ向きのことばかり言っていても仕方がないので、タイトルに掲げた当節流行の、「中国とロシア北朝鮮は日本の領土を狙っているのか?」について考えてゆきたい。
といっても長々と書く必要はない。ほぼ杞憂だからだ。
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