━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
高野孟のTHE JOURNAL Vol.551 2022.5.30
※毎週月曜日発行
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
《目次》
【1】《INSIDER No.1157》
そうは言っても米国は中国に勝てるのか?/バイデンの
「台湾有事介入」宣言の裏側の現実
【2】《FLASH No.452》
「憎しみ」の包囲網を構想する米バイデン大統領はさな
がらドンキホーテ/日刊ゲンダイ5月26日付「永田町の
裏を読む」から転載
【3】《FLASH No.453》
本土人の欺瞞とふがいなさ/九条連ニュース5月号「政
治展望台」から転載
■■INSIDER No.1157 22/05/30 ■■■■■■■■■
そうは言っても米国は中国に勝てるのか?/バイデンの
「台湾有事介入」宣言の裏側の現実
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
バイデン米大統領が5月23日、日米首脳会談後の会見
で台湾防衛のために軍事的に関与する用意があるかと問
われ、「ある。それがわれわれの決意だ」と答えた。い
よいよキッシンジャー以来のこの問題についての「戦略
的曖昧さ」を投げ捨てたのかとか、いや彼がこういうこ
とを言って国務省や国防総省がやんわり否定するという
パターンはこれで3回繰り返されていて驚くほどのこと
ではないとか、ひとしきり取り沙汰されたが、これを巡
る本当の問題は、仮に彼が台湾防衛のために中国と戦う
ことになったとして、果たして勝てる可能性はあるの
か、ということである。
28日付「ニューヨーク・タイムズ」論説欄で米スタン
フォード大学のフリーマン国際問題研究所のオリアナ・
マストロ研究員は「バイデンは台湾を応援すると言う
が、本当か?」と問いかけた。彼は、自分がこれまでに
参加した10件以上の米中戦争のゲームや机上演習で、米
軍は、中国軍を撃退することができずに、多大な損失を
被りながら敗退したと指摘。だとすると、バイデン発言
はたぶん中国の攻撃を抑止することを目的としたものな
のだろうが、そうなるのであれば結構なことだと、かな
り皮肉な調子で述べている。
●海軍力の差は歴然
彼が指摘する台湾有事の実際における中米間の戦力格
差は次の4点である。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)