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[高野孟のTHE JOURNAL:Vol.549]プーチンとバイデンそれぞれの誤算の重なり合い

高野孟のTHE JOURNAL
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 高野孟のTHE JOURNAL Vol.549 2022.5.16                  ※毎週月曜日発行 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 《目次》 【1】《INSIDER No.1155》 泥沼のウクライナ戦争に出口はあるのか?/プーチンと バイデンそれぞれの誤算の重なり合い 【2】《FLASH No.450》 沖縄復帰50周年の節目に玉城デニー知事が発表した「新 たな建議書」の不完全さ/日刊ゲンダイ5月12日付「永 田町の裏を読む」から転載 ■■INSIDER No.1155 22/05/16 ■■■■■■■■■ 泥沼のウクライナ戦争に出口はあるのか?/プーチンと バイデンそれぞれの誤算の重なり合い ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■  ウクライナ戦争は完全に泥沼状態に陥り、当事者同士 はもちろん、周りの誰も、落とし所を見出して停戦に導 くことができずにいる。このままでは徒に戦闘が長期化 し、無駄な殺戮が繰り返されていくことになりかねな い。 ●事前の「情報戦」で失敗していたプーチン  推測するに、プーチン露大統領は当初、ドンバス地方 のロシア系住民をキエフ側による虐殺から救済し、ドネ ツクとルガンスクの2つの共和国のウクライナからの独 立を確保するという限定された目標のための作戦を考え ていて、それを2月24日の演説(本誌No.1143《資料 2》)で「特別な軍事作戦」と呼んでいたのだろう。演 説で彼が「その目的は、8年間、ウクライナ政府によっ て虐げられ、ジェノサイドにさらされてきた人々を保護 することだ。そしてそのために、私たちはウクライナの 非軍事化と非ナチ化を目指していく。また、ロシア国民 を含む民間人に対し、数多くの血生臭い犯罪を犯してき た者たちを裁判にかけるつもりだ」「ただ、私たちの計 画にウクライナ領土の占領は入っていない」と述べてい ることがそれを裏付ける。  しかし、軍事戦以前に情報戦の失敗があって、第1 に、ここで彼は「8年間」としか言っていないが、それ が2014年9月に合意された「ミンスク停戦議定書」(お よびその破綻後に仏独が仲介して15年2月に成った同 「議定書2」)をキエフ政府が実行するのをロシアは8 年間も我慢強く待ったのだ! という意味であること を、国際社会はほとんど知らない。

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