━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
高野孟のTHE JOURNAL Vol.540 2022.3.14
※毎週月曜日発行
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
《目次》
【1】《FROM THE EDITOR》
闘病近況報告3(高野 孟)
【2】《INSIDER No.1141》
米国の「決まり文句」に惑わされるな!/ウクライナ情
勢を理解するための〈頭の体操・その1〉
【3】《INSIDER No.1142》
韓国大統領選 野党の尹候補がなぜ勝てて、与党の李候
補がなぜ負けたのか!(辺 真一)
【4】《FLASH No.447》
民放BS放送って一体何のためにあるのだろうか?
【5】《JINBUTSU》
脱サラして林業家に──苦悩して辿り着いた皆伐をしな
い自伐型林業の道(橋本林業・橋本光治さん)
【6】《SHASIN No.466》写真館
■■ INSIDER No.1142 2022/03/14 ■■■■■■■■■
米国の「決まり文句」に惑わされるな!/ウクライナ情
勢を理解するための〈頭の体操・その1〉
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
TBS「報道特集」の金平茂紀キャスターが早速ウクラ
イナ現地に乗り込んで報告しているのは「さすが」と感
心したが、先々週のその番組で被害に遭ったウクライナ
人女性が「プーチンはヒトラーよ!」と泣き叫ぶ場面を
盛んに映し出しているのにはいささか落胆した。
画面を見る限り、それは彼の取材によるものでなく、
事前に現地入りした取材班が撮影し編集した映像のよう
だが、それを流しながら語る彼にももちろんその画面構
成に責任はある。
ヒトラーは米国が大好きな悪の象徴で、この言葉がメ
デイアで繰り返されるだけで、プーチン露大統領が極悪
非道の独裁者であるという印象を拡散することができ
る。
■米国の象徴操作の道具
振り返れば、冷戦後になってから米国が何らかの軍事
行動を起こす時には、いつも相手をヒトラー呼ばわりし
て自分を正当化してきた。コソボ空爆ではセルビアのミ
ロシェビッチ=民族大虐殺(ジェノサイド)疑惑=ヒト
ラー、イラクではサダム・フセイン=大量破壊兵器疑惑
=ヒトラー〔より悪いともブッシュ父〕、シリアのアサ
ド大統領=大量破壊兵器疑惑=ヒトラー、そしてとうと
うプーチンも今回、一方的侵略者=ヒトラーとして殿堂
入りを果たしたということである。
こうやってあちこちにヒトラーが出現すればするほ
ど、モグラ叩きのようにそれらを潰して回る米国の「正
義の味方」ぶりが輝きを増す。この有様をバイデン米大
統領は、世界が「民主主義vs専制主義」の対決の最中に
あると定式化した。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)