また89歳の高齢者が暴走事故を起こしたということで、マスコミが袋叩きにしている。
ふだんは安全運転の人だったことが明らかになっているのに、意識障害の可能性は論じられず、免許を返納しなかったせいのように言われる。
前と比べると安全装置の必要性が語られるが、玉川徹氏は例のごとく、自分の親が免許返納をしたことを自慢げに語る。
数年後に要介護になれば多少は後悔するのだろうか?
さて、今回の事故では、87歳の被害者が80歳のときに免許返納をしていたため、さらに風当たりが強い。
実は、高齢者の起こした事故ばかりが問題にされるが、高齢者が交通弱者であり、普通に歩いていたり、自転車に乗っていたりしている際にはね殺されるリスクが高まることがあまり問題にされていない。
令和元年の統計でも交通事故死者の55.4%が高齢者である。
当時の高齢割合が28%だから高齢者がいかに事故の被害者になりやすいかがわかる。
おそらくは、この事故で亡くなった方も免許を返さず運転していたら、死ぬことはなかったはずだ。
高齢ドライバーが人をはね殺す確率は、1年で1万人に一件くらいだ。
それでも免許返納をしないとまずい空気で免許を返して、はね殺されたりする。
私は普段高齢者の診療をしているが、免許を返納してから自転車に乗り換えて、転倒して骨折、そのまま寝たきりのような状態になった人も複数知っている。
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