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ドイツ襲った大洪水、「反中」緑の党政権参加は確実 中国「さよなら」

勝又壽良の経済時評
  • 2021/07/26
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気象警告無視した自治体の責任 大洪水の元凶は中国の環境無視 EUは23年から炭素税で防壁 ドイツ政変で緑の党が鍵を握る 判じ物に映るかも知れない。今回、ドイツ西部のライン川沿いの地域を襲った大洪水は、ドイツの政治情勢を変えて「反中国」に動かすテコになりそうだ。この大きな変化に目配りする必要があろう。 ドイツは、伝統的に環境重視の国である。そのドイツがこれまで、対中国輸出に目が眩み中国批判を抑えてきたのが現実だ。特に、メルケル首相在任の16年間は、中国についての「価値と経済」が著しくアンバランスになって、経済(輸出)に傾き価値(人権と環境重視)を軽視してきた。ドイツは、ヒトラーという歴史への反逆者を出した国である。その意味からすれば、メルケル首相の「価値と経済」の不均衡が、改めて問われる事態となってきた。 ドイツは、9月に総選挙を迎える。メルケル首相は引退するので、「メルケル後」のドイツ政治が、中国に対して方向転換させる予兆に、今回の大洪水が大きく響くことは避けられない情勢である。これには先例があるのだ。2002年夏には独東部のエルベ川で大きな洪水被害が発生した。その際、当時のシュレーダー首相がいち早く長靴姿で現地に入り、その後の大規模な復興を主導した。率いていたSPD(ドイツ社会民主党)の支持率を一気に高め、同年9月の総選挙を勝利に導いたのである。

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  • 経済記者30年と大学教授17年の経験を生かして、内外の経済問題について取り上げる。2010年からブログを毎日、書き続けてきた。この間、著書も数冊出版している。今後も、この姿勢を続ける。
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