「コロナ政策、ダメダメなのは野党も一緒」
自公政権と官僚機構によるコロナ政策については、平時体制から危機対応
への切り替えができず、全体としてはもしかしたら「諸要素を勘案した中で
の最善手」なのかもしれませんが、世論からは全く評価されない状況です。
少なくとも、政治的には敗北の連続といえます。
ですから、野党勢力にとっては政治的モメンタムを獲得するチャンスであ
るはずです。勿論、民主党政権時代に見せた統治スキルの未熟というイメー
ジは残っていますが、それでも、これだけ与党の側に「敵失」がある中では、
政治的には比較優位の闘いは可能なはずです。
ところが、その野党のコロナ政策が政権と比較して、更にイメージが悪い
わけです。
例えば、小池党と大阪維新という「都市型小さな政府論」を掲げた「右派
ポピュリズム」ですが、どちらも「漂うような」世論の感情の「ひだ」を利
用しながら政治的には与党を凌駕しようという権力欲だけはよく見えます。
ですが、住民の警戒感に便乗して強めの規制をするとか、細かく独自見解を
出して話題性を維持するといった以上の具体的な「政策」は見えません。
しかしながら、東京と大阪の地域政党は、とにかく大都市の行政という責
任を担って実務を回しているだけ、まだ「まし」と言えます。問題なのはそ
の他の野党グループです。
まず、立憲ですが依然として「ゼロ・コロナ」という看板を掲げているの
は理解できません。とにかく検査を拡充し、陽性は隔離、行動様式はほぼ完
全なロックダウン、その代わりカネで補償という、なんというか原理主義と
でも言うような非現実的で、空想的な政策です。しかも、変異株の流行とい
う現状を受けても、修正をしていないというのですから呆れてモノも言えま
せん。
では、立憲の左派色を薄め、小池党的な是々非々中道右派を掲げた、国民
民主はどうかというと、これが意味不明なのです。つまり、「第4波と闘う
には新たな戦略が必要」だとして、「検査拡充、病床確保、経済・社会活動
との両立」という「コロナ3策」を提案するというのです。
どれも必要な政策ですが、要するに自公政権よりは経済を回すが、その分、
検査を増やすし、陽性者や中等症以上が増えても良いように病床確保をする
ということで、自公政権と何が違うのか分かりません。厚労省も、医師会も、
彼らなりの「平時の人命優先体制」を変えられないので苦しんでいるのであ
って、そこをどう変えるのか具体論がないのも無責任です。
共産党の3策に至っては、「医療機関、福祉施設の巡回検査、モニタリン
グ検査拡大、変異株検査」ということで検査だけです。奇々怪々な政策とは
このことです。
奇々怪々といえば、このイデオロギー的には異なる立憲、国民、共産の3
党に共通点があるのです。それは「ワクチン接種推進」について「一言も言
っていない」ということです。変異株の問題が出る中で、少なくともワクチ
ンの重要度は次元の違う重さを持っています。そんな中で「自公政権に対し
て、自分たちは接種率向上に向けて違うことをやる」とか「ワクチン確保に
遅れた自公政権を批判」するのなら分かります。
ですが、この3党はワクチンについてはほとんどダンマリを決め込んでい
ます。そうなると、日本社会が延々と背負ってきた病根とも言うべき、ワク
チン忌避論の風潮に「あわよくば便乗しよう」と思っているか、少なくとも
自分たちの支持層には、自公支持層以上に「ワクチン忌避論」があるので、
それを刺激しないようにしている、そんな「うがった」見方をせざるを得ま
せん。
国難の真っ最中に与党が政権求心力を失いつつある中、他の選択肢も与え
られないというのでは、主権者は主権行使のしようがありません。政界全体
が憲法違反状態であると言える事態とも思いますが、どうでしょうか?
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