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言いすぎか!!
弁護士北村晴男 本音を語る
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Vol.116
2021.4.30
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目次
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【1】 『驚愕! 中国の世界支配計画』
【2】 『北村晴男の"素"』
【3】 『番組出演予定
イベント情報』
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【1】 『驚愕! 中国の世界支配計画』
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中国に揺さぶられるオーストラリア
オーストラリア人のクライブ・ハミルトンさんが著した『目に見えぬ侵略』(飛鳥新社、2020年)を読んでいる。副題が「中国のオーストラリア支配計画」。
ジョン・フィッツジェラルド教授による推薦の言葉には「中国が他国をどのように影響下におこうとしているのかを知りたければ、まず本書を読むべきである」とある。衝撃的だ。
中国は、世界戦略として「アメリカの持つ同盟関係の解体」を目指している。その中で、オーストラリアを「西側諸国の軍事同盟のいちばん弱いところ」であり、アメリカと引き離す絶好の国と見ている。一部の人に根強い「反米感情」があることがその理由のようだ。
そして日本についても、オーストラリア同様、「揺さぶればアメリカと離反させることができる」と中国は見ている。嘘で固めた激烈な反日教育を行う中国に対して抗議するどころか、「日中友好」のスローガンを掲げ、友好親善を進めてきたおめでたい国、日本。もう一押しすれば離反すると思われても仕方ない。
オーストラリアは移民国家。中国の独裁体制(自由がないこと)を嫌い、多くの華僑が住んでいる。この人たちはニュートラルな立場。自分はオーストラリア人だと思っている。
一方、留学生も含め非常に多くの若い中国人が住んでいる。この若者たちは、生まれると同時に「愛国教育」によって、強烈な愛国心を叩き込まれ、これに100%洗脳された者たちだ。
「100年の屈辱」から
「中華民族の偉大なる復興」へ
今から32年前の天安門事件(1989年)。自由を求める若者たちのデモ隊を人民解放軍が戦車でひき殺すなどした。(2017年に機密解除された)イギリス政府の公文書によれば、「少なくとも1万人以上が中国軍により殺害」された。この事件で、中国共産党は「自分たちの統治の正当性が保てなくなる」(人民の反乱により、ソ連のように崩壊する)と、たいへんな危機感を持った。そこで、行われたのが「愛国教育」。江沢民(こうたくみん)国家主席は愛国心を煽(あお)りに煽る、共産党統治の正当性を基礎付ける教育の大転換を行なった。天安門事件の2年後に始まる「愛国教育運動」だ。
アヘン戦争(1840年〜42年)以来、日本も含めた西洋列強に蹂躙(じゅうりん)され、共産党政権が誕生(1949年)するまでの期間を「100年の屈辱」と呼び、共産党政権誕生以降を「100年マラソン」と名づけ、2049年までに「中華民族の偉大なる復興」を成し遂げる、とした。
中国人のナショナリズムを強烈に刺激し、それをリードするのは中国共産党しかない。中国共産党がいちばんふさわしいんだ、として、若者たちの心に歪(ゆが)んだ愛国心を植え付けた。
スローガンのひとつが「犠牲者から勝者へ」。100年間、中国人は犠牲者だった。だが、共産党の指導の下で勝者になっていくんだ。100年の屈辱を、これでもかっていうぐらいに描いて、強烈な愛国心を煽る。この愛国教育は、嘘だらけの強烈な反日教育でもある。
現在の留学生は、もろに愛国教育を受けた世代の人たちで、熱狂的な愛国者だ。
中国は「歴史の捏造」が得意技。「過去に天下を支配した中国」という歴史的な自惚(うぬぼ)れを、まず持った上で、その後100年間に渡って屈辱の期間を過ごしたが、今こそ復讐を成し遂げるという、「長年の屈辱の歴史を知り、その復讐を待ち望む民衆」ができあがった。
これが若者たちの間で強烈なうねりとなっており、「好戦的で、拡大主義的な愛国主義」と言われている。ものすごくヤバイ!
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オーストラリアに古くから来ている中国系の移民の人たちは、本来、自由を愛し、共産党による独裁を嫌っている。
ところが、例えば彼らが反中国的な集会に出席したり、共産主義反対のデモに参加をすると、何が起きるか。「愛国主義教育」を受けた中国人留学生が大挙押しかけて、写真をバチバチ撮っていく。
そして、その写真を中国の大使館や領事館を通じて、本国に送る。共産党はその人物を特定した上で、その人物の中国に居る親戚を脅したり、逮捕・勾留する。あるいはそのデモに参加した人物が親戚に会うために中国に帰ろうとするのに対してビザを発給しない。中国とビジネスをしている場合は、その取引先に対して強烈な圧力をかける。
ヤクザとまったく同じやり方だ。
彼らが「声を上げる」ことは、親戚や取引先に迷惑かけることを意味する。自然とこれまでの古い華僑の組織が沈黙していき、逆に洗脳された新しい移民や留学生たちに、組織自体が乗っ取られて行く。メチャクチャ恐ろしい。
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