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【Vol.369】冷泉彰彦のプリンストン通信

冷泉彰彦のプリンストン通信
「笑止千万、放送の外資規制」  菅総理の息子が接待スキャンダルを起こしたことで一躍著名になった放送 事業会社「東北新社」ですが、外国資本の出資比率が20%を上回り、放送 法に違反しているとされたのには驚きました。  菅政権や現在の総務省としては、同社を切ることで「便宜供与はなかった し、ないし、むしろマイナスになっている」という態度を見せて、自分たち の保身を図ろうというのはミエミエです。ちょっと「やり過ぎ」感を出せば、 総理の長男には「何もそこまで」的な同情が来ることまで計算済みだとした ら、余りいい感じはしません。  しかし、そんな話の前に、そもそも「外資比率が20%以上あると、放送 法に違反」という規定がバカバカしくて話になりません。  勿論、政府が放送局の経営母体に関して神経を使うのには理由があります。 それは、放送は世論に影響を与えるだけでなく、有事においては国民を動か すことも可能だからです。ですからラジオやTVの普及した20世紀におい ては、革命やクーデターを行う場合に「放送局を押さえる」ことは極めて重 要でした。  ですが、現在は2021年、既に電波による放送の持っている力は20世 紀とは比較にならないほど低下しています。それはネットが普及したからで す。例えば放送ということでも、プロが作った音声や映像を一般の視聴者/ 聴取者が受け止めるという広義のものを考えれば、ネットやストリーミング のシェアが高まっているのです。  世論に影響を与えるとか、間違った情報で世論を惑わすのはいけないので、 旧郵政省の電波行政があるといっても、ネットでは「フェイクニュース」だ とか「ネトウヨの愛国中毒コンテンツ」だとか「左派の自己満足コンテン ツ」などが溢れており、その中には外国勢力による意図的な世論操作も含ま れているかもしれません。そして、自由と民主主義を掲げる西側社会の共通 認識としては、それは「放置するしかない」ということになっているばかり か、日本政府も基本的に同じ立場です。  ということは、放送法における外資規制などといっても、全くの形骸化し ているのです。

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  • アメリカ北東部のプリンストンからの「定点観測」です。テーマは2つ、 「アメリカでの文脈」をお伝えする。 「日本を少し離れて」見つめる。 この2つを内に秘めながら、政治経済からエンタメ、スポーツ、コミュニケーション論まで多角的な情報をお届けします。 定点観測を名乗る以上、できるだけブレのないディスカッションを続けていきたいと考えます。そのためにも、私に質問のある方はメルマガに記載のアドレスにご返信ください。メルマガ内公開でお答えしてゆきます。但し、必ずしも全ての質問に答えられるわけではありませんのでご了承ください。
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