[高野孟のTHE JOURNAL:Vol.484]コロナ後の世界に向けての「資本主義」の乗り越え方

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 高野孟のTHE JOURNAL Vol.484 2021.2.8                  ※毎週月曜日発行 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 《目次》 【1】《INSIDER No.1085》    コロナ後の世界に向けての「資本主義」の乗り越    え方ーー斎藤幸平、そして宇沢弘文を読み直す 【2】《CONFAB No.484》    閑中忙話(1月31日~2月7日) 【3】《FLASH No.394》    功罪ある「小選挙区比例代表並立制」をどう使い    こなすかーー日刊ゲンダイ2月4日付「永田町の    裏を読む」から転載 【4】《SHASIN No.426》付属写真館 ■■ INSIDER No.1085 2021/02/08 ■■■■■■■■ コロナ後の世界に向けての「資本主義」の乗り越え方 ーー斎藤幸平、そして宇沢弘文を読み直す ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■  コロナ禍が、「資本主義」によって止め度もなく生み 出される過剰・過密の文明論的結末であることに疑いの 余地はない。早くこの禍を克服して、元の生活を取り戻 したいと誰もが思うのは当然だが、「元」とはどこであ って、そこへ「戻る」ことが本当に可能なのかどうか。  いや、だって、ほんの1年2カ月ほど前までは、こん なに不安でも不自由でもない、そこそこの平穏な暮らし があったのだから、あそこまで戻れれば十分なのだ、と 思うかもしれない。しかし、あの暮らしを平穏と思うの は、その裏で取り返しがつかないほどにすでに進行して いた地球環境の破滅や人間社会の狂乱という根源的な危 機に真正面から向き合ってこなかった、単なるノーテン キの裏返しではないのか。  いや、だって、エコバッグを用意してレジ袋は貰わな いようにしているし、ペットボトルを減らそうと水筒を 持ち歩くようにしていて、けっこう地球環境問題にも気 を付けている? 結構なことで、それは心がけたほうが いいと思うが、それだけでは、コロナだけでなく台風・ 豪雨・豪雪、首都直下型地震、富士山噴火、大津波、原 発爆発等々の危機の連鎖を食い止めることは到底不可能 である。  いや、だって、国連も本気になってSDGs(持続可能な 開発目標)を掲げて全世界を挙げて地球温暖化に立ち向 かおうとしているし、その努力からドロップしそうにな った米国もバイデン政権になって気候変動条約に復帰し つつあるし、世の中はいい方向に向かっているのではな いのか。  さあてどうだろうか。斎藤幸平のベストセラー『人新 世の「資本論」』( https://amzn.to/2O7oOZA )はそ の冒頭で言う。「SDGsはアリバイ作りのようなものであ り、目下の危機から目を背かせる……現代版『大衆のア ヘン』である。アヘンに逃げ込むことなく、直視しなく てはならない現実は、私たち人間が地球のあり方を取り 返しのつかないほど大きく変えてしまっているというこ とだ」と。
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