第93号 尊重される民意と無視される民意/森のくまさん 2020/暮の秋

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  • 2020/11/04
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「尊重される民意と無視される民意」 11月1日(日)に投開票が行なわれた大阪都構想の是非を問う大阪市の住民投票は、開票前の出口調査の時点から「賛否きっ抗」と報じられ、開票後も「賛否きっ抗」と報じられ、集計が終盤になっても「賛否きっ抗」と報じられました。そのため、あたしとしては、まるで自分の名前が連呼されているような気分でした。 結果は、賛成が67万5829票、反対が69万2996票、約1万7000票の僅差で反対多数となり、大阪市の存続が決まりました。今回の投票率は前回を4.48ポイント下回る62.35%でしたが、それでも6割以上の有権者が投票したのですから、これは立派な民意です。前回2015年の住民投票でも、賛成が69万4844票、反対が70万5585票と反対多数だったので、二度続けて民意が明確になった形です。 この結果を受けて、大阪市長の松井一郎は、自分の敗北を認めた上で「これは間違いなく民意です。しっかり受け止めます」と述べました。大阪府知事の吉村洋文も、敗北を認めた上で「大阪市民の判断を尊重したい」と述べ「僕が都構想に挑戦することはありません」と三度目の住民投票を行なう考えがないと明言しました。1票でも多ければ勝ちになるのが住民投票ですから、これは当然でしょう。しかし、あたしが唖然としてしまったのが、松井一郎が笑みを浮かべながら述べた次の発言です。 「皆さん、賛成反対、頭を悩ませていただいた。これほどの問題を提起できたことは、政治家冥利(みょうり)に尽きます」 はぁ?この人、何言ってんの? 新型コロナで多くの市民が苦しい生活を強いられている時に、肝心の新型コロナ対策は雨ガッパだイソジンだとトンチンカンな大騒ぎを繰り返した挙句、すでに5年前に民意が示されている問題をまた引っ張り出して再燃させておいて、何が「政治家冥利」ですか? 毎日新聞によると、「大阪維新の会」は大阪都構想のために、これまでに100億円を超える公金を使って来たそうです。大阪都構想の制度設計を行なう大阪府と大阪市の共同部署は、橋下徹時代に「大都市局」、その後の松井・吉村時代に「副首都推進局」が設置されましたが、この部署には毎年100人もの職員が投入され、これまでの人件費の累計だけでも68億円を超えるそうです。100億円を超える税金を無駄遣いしておいて「政治家冥利に尽きます」だなんて、開いた口が塞がりません。
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