第603回 やはり米中は武力衝突はしない、プレヤーレンの予見する大統領選後の状況

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…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━… 第603回 やはり米中は武力衝突はしない、プレヤーレンの予見する大統領選後の状況 …━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━… 今回の記事 今回はメインテーマとして、延期になった「米中第一段階合意履行点検協議」と、今後の米中関係の行方を考える。 次に、プレヤーレンの予見する大統領選後の状況について書く。まだプレヤーレンはだれが大統領になるのかの予見は発表していない。しかし、過去に発表された未来の予測を見ると、やはりトランプになるように見える。 ▼米中関係の行方 では早速今回のメインテーマを書く。緊張する米中関係の行方である。 トランプ政権の中国叩きと制裁はまったく収まる気配がない。8月17日、米商務省は、中国の通信機器大手、「ファーウェイ」に対する追加制裁を発表した。この新たな制裁措置により、外国のメーカーがアメリカのソフトや技術を使って開発、製造した半導体を「ファーウェイ」に供給することが禁止された。 すでに今年の5月にトランプ政権は、「台湾積体電路製造(TSMC)」のような外国メーカーが米国製の装置を使って製造した半導体を、「ファーウェイ」やその子会社に無許可で供給することを禁止していた。新たな措置では制限対象がさらに拡大された。 なお「ファーウェイ」では、自社が必要とする高性能半導体すべての開発と設計を担当しているのは、子会社の「ハイシリコン」である。同社は「ファーウェイ」にしか製品を供給していない。いわば「ハイシリコン」は「ファーウェイ」の半導体開発部門が分社化し、独立した会社だ。そして、同社が開発・設計した反半導体を実際に製造しているのが、台湾メーカーの「台湾積体電路製造(TSMC)」だ。この会社の高度な技術水準ではないと、「ハイシリコン」が開発・設計した半導体の製造は不可能だといわれている。 その「台湾積体電路製造(TSMC)」が「ファーウェイ」や「ハイシリコン」との取引が禁止されたのだから、「ファーウェイ」の痛手は大変に大きい。同社は外国製半導体の供給を断たれ、深刻な打撃を受けるものと思われる。 これを見ると、アメリカの中国叩きは一層激しさを増しているように見える。 ●南シナ海の情勢 中国に対するアメリカの強硬な姿勢は、南シナ海でも変わらない。最近大きな動きがあったわけではないものの、トランプ政権は中国に対する激しい抑止策を堅持している。7月上旬から8月初旬にかけて、米海軍と中国海軍とも南シナ海の近接した海域で軍事演習を断続的に実施していたが、いまのところ緊張を高める動きはない。 トランプ政権は70年代のニクソン政権以来続いてきた中国融和策を根本的に転換し、中国の拡大が著しい南シナ海において中国を積極的に抑止する方針に転換した。これは長期的な対中国政策の根本的な転換であり、ちょっとした状況の変化で変わるものではない。中国拡大の抑止はこれからも続く。 この変更に伴い、米軍の南シナ海における軍事行動も大きく変化した。これまでは中国に米軍の強さを見せつける軍事的示威行動が中心だったが、いまでは米中の武力衝突を前提にした戦争準備行動がメインになっている。「ロナルド・レーガン」と「ニミッツ」の2つの空母機動部隊の演習などはその典型である。B-52爆撃機による偵察活動もそうしたものだ。 さらにトランプ政権は、南シナ海で中国と領有権を争っているASEAN諸国や、日本、韓国、インド、オーストラリア、イギリスなどの同盟国とともに、中国を孤立化する中国包囲網の形成を始めた。これはアメリカがソビエトを包囲した冷戦構造と同じ体制だ。そして、こうした中国包囲網の形成後、南シナ海における新たな領有権処理と航行のルールを中国を排除して作る計画だ。 このように見ると、南シナ海におけるアメリカの中国排除の動きは長期間継続する基本的な動きである。いま米軍の空母部隊は南シナ海にはいないが、緊張はこれらかもずっと続くことは間違いない。 ●「第1段階合意履行点検協議」の延期 そのようなとき、アメリカと中国は8月15日に計画していた貿易合意に関する協議を延期した。第1段階の合意発効から6カ月の節目に際し、両国は履行状況を点検するための協議を予定していた。延期の理由は明らかにされていないが、スケジュール上の都合が理由だという。中国共産党の長老と首脳部が河北省の避暑地に集まり、重要事項を協議する非公式会議、「北戴河会議」の開催予定と重なったからだとも見られている。
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