死んでも書きたい話 拘束中の「最大のミス」前夜

安田純平の死んでも書きたい話
2015年11月15ー18日の日記です。 相変わらず、外に出るドアが開くのは玄関か台所の勝手口か、音を聞いて迷っています。 結局脱走はできなかったのですが、その拘束中の最初の大きなミスに至る直前の状況です。 【2015年11月15日(日曜日)】=拘束141日目 久々に夜に多めに眠れた。外の声がし始めたころに起きる。やはり北側からも声がしている気がする。男女と子ども。とりあえず飯。ストーブはしばらくついて灯油きれる。 飯食いながら突然クルド地域のコバニに行かなかったことをまた悔やむ。なぜかフェミニストの話を思い出し「女性も集まる聖地になっている。日本と対照的」とやれたのにと悔やむ。新聞、地方紙出身のオレはそうしたいろんな視点から描けたはずなのに。戦闘しか見なかったらそれこそつまらない。生活ぶりとか立体的にやりたいと思っているはずだったのに。 ※コバニはシリア北部のクルド人地域で、2014年後半にはISに陥落寸前まで追い込まれたが、多国籍軍の空爆による支援を受けたクルド勢力が2015年1月に奪還した。その後は世界中からジャーナリストだけでなく復興支援のボランティアなどが集まっていた。クルド勢力の女性部隊が活躍し、注目されたことでフェミニスト活動家が世界各地からボランティア活動のためコバニを訪れていた。※
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  • ジャーナリスト安田純平が現場で見たり聞いたりした話を書いていきます。まずは、シリアで人質にされていた3年4カ月間やその後のことを、獄中でしたためた日記などをもとに綴っていきます。
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