第104回 パンデミックとブロックチェーン その1

ヤスの第四次産業革命とブロックチェーン
…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━… 第104回 パンデミックとブロックチェーン その1 …━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━… ▼今回の記事 新型コロナウイルスのパンデミックがとんでもない事態を各国に招いている。これからどういう状況になるのか心配だ。だが、意外にもこうした状況でもブロックチェーンの適用は拡大し、それを実施するプロジェクトも拡大傾向にある。今回はその1として、この分野の全体的な概要を紹介する。 ▼パンデミックとブロックチェーン ●地域と職場を監視するブロックチェーン 都市などのある地域で、感染者が発生した場所と発生していない場所をすべてブロックチェーン上のシステムに登録し、地域や職場の感染防止に役立てるプロジェクトがすでに進行している。これは、「パブリック・ヘルス・ブロックチェーン・コンソリアム(PHBC)」という企業が立ち上げたシステムだ。 このシステムの特徴は、感染者ではなく、感染していない人をブロックチェーンのシステムに登録することにある。登録された人物の行動は逐一モニタリングさて、追跡される。そして事前にブロックチェーンに登録してある感染者の発生した危険地域や建物に、事前に登録してある人物が出入りすると、感染リスクの高い人物として検疫が提案される。このようにして、地域コミュニティーと職場の安全を確保するというシステムだ。 ●粗悪な医療関連製品の排除 こうしたブロックチェーンを活用したモニタリングのシステムは、移民の管理、違法入国者の排除、国境封鎖の管理、感染者のモニタリング、さらにはマスクや医薬品の管理などの方面で積極的に導入される可能性が高い。 また、いま注目されているのは、マスクや消毒液など品不足のため価格が高騰している医療関連製品のブロックチェーンによる管理だ。こうした製品では、価格の高騰を見込んだ買い占めや偽造された粗悪品の横行が相次いでいる。特に後者の問題は深刻だ。すでに一部の国々では、廃棄されたマスクを転売する悪質な業者も出てきている。もしそうしたマスクに感染者が使用したものが混入されていると、マスクを通して感染が逆に拡大することにもないかねない。 そうした粗悪品が市場に出回るのを抑制するために、医療関連の製品に超小型センサーである「RFID」タグを組み込み、製品の個別のデータをブロックチェーンに記録するシステムの構築が急がれている。安全性が確認された正規の製品にのみ「RFID」タグが組み込まれているので、そうではない製品は正規品ではないことが簡単に分かるため、おのずから市場から排除される。今回の新型コロナウイルスの蔓延が契機となり、こうしたシステムの導入は加速することは間違いない。 ●ワクチンの開発とブロックチェーン さらに、そうしたなか注目されている分野が、新型コロナウイルスのためのワクチン開発にブロックチェーンを活用するプロジェクトだ。いま新型コロナウイルスのワクチンの開発が急ピッチで進んでるが、その開発にブロックチェーンを活用することで、開発のプロセスが早まる可能性は高いというのだ。 ちなみにワクチンの開発には次のプロセスがある。1)基礎研究、2)非臨床試験、3)臨床試験、4)承認と認可、5)大量生産と販売、6)品質管理などだ。これらの各段階で研究のプロセスを加速するために、ブロックチェーンの適用が期待されているのだ。それぞれの段階におけるブロックチェーンの適用がどのようなものか、見て見よう。以下である。 1)基礎研究 ワクチンの開発は基礎研究から始まる。これは世界に拡散しているあらゆるタイプの新型コロナウイルスのタイプのゲノムを調べ、体内で免疫系の活性化を引き起こす抗原を発見するプロセスだ。このような研究でブロックチェーンのシステムが活用できれば、調査したすべてのゲノムをブロックチェーンに記録し、高い透明度で研究者間でデータを共有できる。
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  • ヤスの第四次産業革命とブロックチェーン
  • 昨年から今年にかけて仮想通貨の高騰に私たちは熱狂しました。しかしいま、各国の規制の強化が背景となり、仮想通貨の相場は下落しています。仮想通貨の将来性に否定的な意見が多くなっています。しかしいま、ブロックチェーンのテクノロジーを基礎にした第四次産業革命が起こりつつあります。こうした支店から仮想通貨を見ると、これから有望なコインが見えてきます。毎月、ブロックチェーンが適用される分野を毎回紹介します。
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