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第102回 現在実施されているSTOのプロジェクト その2

ヤスの第四次産業革命とブロックチェーン
…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━… 第102回 現在実施されているSTOのプロジェクト その2 …━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━… ▼今回の記事 まず今回は、将来金融危機が発生する可能性があるので、それに関してひとこと解説する。次に前回の続きとして、いま注目されている稼働中の「STO」のその2を紹介する。 ▼金融危機が発生する可能性 メインテーマの稼働中の「STO」を紹介する前に、新型コロナウイルスの蔓延による世界経済の低迷が背景となり、金融危機が将来発生する可能性があるので、これに関して簡単に解説する。我々も注意しなければならない。 3月9日の日経平均株価は大幅続落し、約1年2カ月ぶりに2万円を割り込んだ。一方、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大懸念から外国為替市場で円相場が一時1ドル、103円まで上昇し、日本企業の業績への懸念が高まっている。原油価格の急落も投資家心理を悪化させている。さらにニューヨークダウは、2月半ばの2万9000ドル台から、3月9日には2万5000ドル台へと下落し、2008年のリーマンショックに匹敵する下げとなった。 こうした状況で、近い将来2008年のリーマンショックに匹敵するような金融危機が発生するのではないかという懸念が強まっている。 ●レバレッジド・ローンの破綻? では、金融危機が発生するとしたのなら、なにが引き金になるのだろうか?いまもっとも破綻懸念が強いのが、「レバレッジド・ローン」という特殊な金融商品だ。なかでも「レバレッジド・ローン」の中心になっている「ローン担保証券(CLO)」が破綻する可能性が高いと見られている。 これは、金融機関が事業会社などに対して貸し出している債権(ローン)を証券化した金融商品だ。2007年から2008年がピークの金融危機の引き金になったものは、信用力の低い個人向けの住宅ローンを証券化したサブプライムローン証券だったが、「CLO」はローンの対象先が事業会社で、個人ではないのが特徴だ。これがどういうものなのか説明しよう。 「CLO」のプロセスはこうだ。まず金融機関は企業にローンを貸し付ける。このローンはすぐに特別目的会社に譲渡される。特別目的会社は他の企業の債権と組み合わせて金融商品、「CLO」を組成する。そして投資家が、この「CLO」を購入するというプロセスになる。投資家は、ローンからの元金と金利を受け取る仕組みだ。「CLO」向けのローンを提供する金融機関や、「CLO」を組成する特別目的会社は、商業銀行ではなく、ヘッジファンドが作った会社も多く参入している。 また「CLO」は、シニア債、メザニン債、劣後債といった支払優先順位の異なる数種類の債券に分かれている。ローンからの元金と金利は支払優先順位の高い順に支払われることになっている。なので、組成した会社が同一であっても、階層の異なる債券ごとに、それぞれ異なった格付けが付与されている。もちろん、最上位のシニア債はリスクは低いのでリターンが低く、逆に劣後債はリスクが高い分、大きなリターンが期待できる。 このような「CLO」だが、ローンの借り手である企業にも特徴がある。商業銀行から比較的に低利でローンを受けられる経営状態の安定した会社だけではなく、経営基盤に不安がある会社でもローンを得ることができるのが「CLO」の特徴だ。 これは、ローンの返済に少なからず不安のあるサブプライムローンと類似した特徴だ。サブプライムローンの返済にたとえリスクがあったとしても、それはすぐに証券化されて投資家に売り払われるので、ローンを提供した金融機関のリスクはほとんどない。 これと同様に、「CLO」向けの事業ローンも、借り手の企業の経営に不安があったとしても、どうせ即刻金融商品として売り払われてしまうので、リスクをあまり懸念することなくどんどん提供されてしまう。このため、会社へのローン提供の審査基準は厳格ではない。こうした比較的に緩い審査基準は、「コベナント・ライト」と呼ばれている。 ●日本が最大の保有者 こうした「CLO」だが、いま全世界での残高は113兆4000億円にも上っている。これは、2008年のサブプライムローンを上回る額だ。日本の国家予算が100兆円弱なので、これよりも高い。 そして、「CLO」で注目すべきは、日本が最大の投資者であるということだ。3分の1を購入している。「農林中金」をはじめ、「ゆうちょ」や大手の都市銀行が買っている。最上位の「シニア債」に限ると、日本の購入している割合は、65%から70%にも達しているのではないかと見られている。日本の投資は「CLO」という金融商品が成り立つための、重要な柱のひとつだ。 もし新型コロナウイルスの蔓延による経済の低迷が引き金となり、会社の破綻が相次いだ場合、事業ローンの返済が滞る。そのため、事業ローンの返済を元に組成された「CLO」は破綻する。これは、2007年から2008年にかけて破綻した金融商品、「CDO」と類似したパターンだ。「CDO」の場合、このなかに組み込まれている低所得者向け住宅ローンの「サブプライムローン」の破綻が引き金になったが、今回は「CLO」に組み込まれている企業の破綻が引き金になる。 現在「CLO」は、各国の金融当局の厳しい監視下にあるのですぐに破綻するわけではない。だが、経済の悪化が続くと破綻懸念は大きくなることは間違いない。すでに市場では「CLO」に対する警戒感が出ている。 もし「CLO」が破綻した場合、仮想通貨の相場や「STO」に対してどのような影響を及ぼすのかはまだ定かではない。仮想通貨や、現物の資産に基礎がある「STO」が、資産を守るための逃避先として投資家に選ばれた場合、これらの相場は上昇するだろう。 しかし反対に、金などの希少金属や米国債などが逃避先として選ばれし、仮想通貨や「STO」が選ばれなかったとき、これらの相場も大きく下落するだろう。現時点では仮想通貨の相場は大きく下げているが、金融危機後もこのトレンドが続くのか、それとも逃避先として選ばれて高騰するのかはまだ分からない。しばらく様子を見る必要があるようだ。情報があればこのメルマガで紹介する。 ▼いま稼働中の「STO」 それでは今回のメインテーマを書く。いま稼働中で人気のある「STO」を紹介する。以下である。 ●トレードクラウド(TradeCloud) グローバルトレードのための有効なソリューション。 現物の商品市場のデジタル取引のプラットフォームはまだ少ない。この分野では、市場は商品別に分かれており、商品を売買した場合、それぞれの異なった市場にアクセスし、ディーラーと取引しなければならない。これは非常に繁雑なプロセスである。 「トレードクラウド」は、あらゆる種類の現物商品を同じプラットフォームで取引を可能にしたサービスだ。どんな商品でも売買を希望するものは、「トレードクラウド」のサイトにアクセスするだけでよい。取引のすべてのプロセスと履歴をハッキングが非常に困難なブロックチェーンで記録される。また、取引で交わされる契約書などあらゆる種類の文書類はデジタル化され、「トレードクラウド」のプラットフォームに安全の保管される。 さらに「トレードクラウド」には、商品の専門家が多数登録されており、取引における適切なアドバイスを受けることができる。 公式サイト: https://tradecloud.sg 紹介ビデオ: https://www.youtube.com/watch?v=pfpud8MDurE&t=3s STOの期間:2019年7月1日より継続中。 ・シンボル:TC Coins ・会社名:Trade Cloud Services Pte. ・国籍:シンガポール ・支払いに使える通貨:米ドル、ユーロ、スイスフラン、ビットコイン、イーサリアム ・最低資金調達額:500万ドル ・目標資金調達額:4500万ドル ・最低投資額:プライベートセールは2万5000ドル、パブリックセールは1万ドル ・トークンセールの割合:全発行額の47% ・トークン保有者の権利:配当、利益の配分。利益の10%がトークンの保有者に、イーサリアムによりエアードロップで配分される。

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  • ヤスの第四次産業革命とブロックチェーン
  • 昨年から今年にかけて仮想通貨の高騰に私たちは熱狂しました。しかしいま、各国の規制の強化が背景となり、仮想通貨の相場は下落しています。仮想通貨の将来性に否定的な意見が多くなっています。しかしいま、ブロックチェーンのテクノロジーを基礎にした第四次産業革命が起こりつつあります。こうした支店から仮想通貨を見ると、これから有望なコインが見えてきます。毎月、ブロックチェーンが適用される分野を毎回紹介します。
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