゜・☆。・゜。・。・゜・☆。・゜。・。・゜・☆。・゜。・。・゜・☆。
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ベテランアナリストが解説する!10分でわかるゲーム産業ジャーナル 1月前半号Vol. 19 - 2016年は任天堂のモバイルゲームとVRの年だった?
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明けましておめでとうございます。2017年初回になります。
はい、今月からメルマガのタイトルが変わりました。が、
内容はまったく変わりませんので(笑)引き続きよろしく
お願いいたします!

アメリカのネバダ州ラスベガスでは1月5日(現地時間)から
世界最大の家電ショーCES(Consumer Electronics Show)が
行われました。もちろんAV機器技術などが取り上げられていますが、
いろいろなレポートを見ると今年のテーマはAI(人工知能)と
クルマの自動運転にフォーカスが当たっていたようです。
IoT、AIが最新技術マーケットでは花盛りのようですよ。

Nintendo Switchの発表はこのメルマガの直後(1月13日)です
ので今回は触れられません。残念。ちなみにイギリスの小売店
GameSeekがNintendo Switchの予約を始めたのがきっかけで
値段と発売日が露出?とニュースになっています。発売日は
3月17日。価格は £198.50 (約28,000円)。

いずれにしてもあと3日で発表される内容ですから正確な情報を
お待ちください。Nintendo Switchの発表会は会場に行かなくても
任天堂のHPまたはYouTube、ニコニコ動画などで配信される
ようですのでそちらをご覧いただくのもいいかもしれません。
13日(金)13時からですのでお見逃しなく!

さて、今回もいろいろとお伝えしていきますので最後まで
お付き合いください。

○。.:o.。…─…─…─…─…─…─…─…─…─…─….o:゜。○
゜o 。  CES 2017で考える…   。o ゜
o○o    世の中はAI… 思うところを書いてみたっ!  ゜ o。
○。.:o.。─…─…─…─…─…─…─…─…─…─…─.o:゜。○.

ゲーム業界ではVRが大きな話題となった2016年ですが、今年のCESでは
AI(Artificial Intelligence)つまり人工知能が大きな話題でありました。
大きな例として挙げれば、日産自動車がMicrosoftの音声認識技術である
「Cortana」を搭載する、また基調講演でゴーン社長はDeNAと提携して
ドライバーのいない「無人運転車」の開発・実用化を目指すと発表しました。

便利な「ハードウェア」を構築するには「ソフトウェア」が必要です。
さらに一歩進めてユーザーフレンドリーな「アイデア」を添加できるのは
エンタメ業界でしょう。

Nintendo SwitchのGPUを提供していると言われているNVIDIA。
その社長がCES 2017で基調講演をしたのですが、AIのトレンドを
集約しています。NVIDIAのフォーカスは現在4つの柱で動いている
とのこと、(1)ゲーム(2)VR/AR/MR(3)データセンター
(4)クルマの自動運転を同社のGPUによって実現していく、というものです。
PCゲームで育んできた彼らのGPU技術がAIとミートして大きな技術革新を
もたらしている、という内容です。

AIってそもそも何なんだ?とひも解いてみると、AIの考え方としては
大量の過去情報をもとに処理し、それらに基づいた結論を導き出す
「推論」と、あらゆる情報から今後使える知識を見つけるという「学習」
という手法の2つに集約されるようです。

ゲーム開発においてもAIという単語を使いますが、これは「推論」に基づく
結論によりゲームソフト側がアクションを起こすプログラムのことです。
と…、難しいことをいろいろと書こうとしましたが、技術者でもない私が
語るわけにもいかないので(笑)、軽くお話をすることにしますね。

SFで言うところの「人間と同じ知能や意識を持った存在」、ある意味
脅威をもたらすロボット!とまではほど遠いものの、現状の認識としては、
生活を便利にしてくれたり、難しい手続きを経ずに得たい情報やサービスを
受けられるようにしてくれたりするシステムと考えてはいかがでしょうか?

実際にオンラインゲームなどで対戦するAIのことをBotと呼んだり、
最近では便利なモバイルアプリをBotと呼んだりします。BotとはRobotから
きているのですが、実はAIのプログラムコードを指すようです。

従って物理的に実態のあるものをAIと呼ぶのではなくあくまでも
プログラムコード、もしくは「ユーザーフレンドリーなUI」を
提供してくれるものと考えるべきでしょう。我々がいう「ロボット」は
AIを積んだ「機械的」なものなのです。本来であれば難解な操作や
指示をしなくてはならない道具に対してAIが「簡単につないでくれる」のです。
iPhone のSiriやGoogleの音声検索などもAIと言われますが、
インターフェイスとその解析を提供する便利なプログラムまたは
システムなのです。

先日も記事に書きましたが、面倒な注文を人に伝えるのではなく
タッチによって注文と購入ができる便利な注文ロボットをマクドナルドが
採用したというニュースで、「人間の労働機会を奪う」一例として
挙げられていました。短期的に見るとそうなのかもしれません。

ただ、長い歴史を考えたときに「自動車」が「人力車」の労働を奪ったと
考えるでしょうか?「電話技術」が「電話交換手」の仕事を奪ったと
嘆いたでしょうか?一時的にはそうかもしれませんが、技術の進歩により
インフラそのものの環境が変われば、その上に載せるビジネスがまた
生まれてくるのです。まったく心配していません。笑。

あ、そう、そんな哲学的な話がしたかったんではなくて、AIがハードと
ソフトの対ユーザー「インターフェース」を含むのであれば、なぜ
ゲーム業界の力が発揮できないんでしょうか?ハードにソフトを載せてきた
実績としてはものすごい経験値だと思うんですけど!便利さに加えて
エンターテインメント性があったらユーザーにとってフレンドリー♪
インフラとして強固なものになりませんかね?

これをゲーミフィケーション(Gamification)と呼びます。ものごとに
ゲームデザインの技術やメカニズムを利用する活動のことを言うのですが、
今のところ学術的な発展しか見られません。CESのような家電ショーで
「AI」を掲げるならばこれぞゲーム業界の発揮の場所と考えるべきでは
ないでしょうかねぇ?なーんて年の初めにいろいろと考えさせられました、
ってお話。

○。.:o.。…─…─…─…─…─…─…─…─…─…─….o:゜。○
゜o 。  年の初めだから言いたい!  。o ゜
o○o   2016年で起こったこととそのアップデート! ゜ o。
○。.:o.。─…─…─…─…─…─…─…─…─…─…─.o:゜。○.

いろいろと書いてきた2016年のエンターテインメント業界の
ネタですが、これだけは押さえておいてほしいな、という
過去ニュースとそのアップデートをしてみました。ざっと
読んでみてくださいませ。

1. 任天堂のモバイルコンテンツへの進出

株主からのモバイルアプリへの進出提言を弾き飛ばし、自社ハードで
闘うと言い続けていた任天堂が、2015年初めにDeNAとのモバイルアプリで
提携する!と発表した際にはものすごい驚きを持って受け止められました。
あの任天堂がモバイルに進出するんだ!マリオ、どうぶつの森、
ゼルダなどなどIPの宝庫だった同社がモバイルにやってくるのですから
ユーザー、業界は湧きました。その展開が2016年一気に起こりましたね。

(1) Miitomo

満を持して2016年3月に配信された(海外は3月31日)『Miitomo』は、
任天堂とDeNAのファーストタッグで期待されたタイトルでしたが、
みんなが思っていたような任天堂IPのゲームではなく既に3DSやWii向けに
展開されているコンテンツ内で使用されているプレイヤーアバター「Mii」を
使ったSNSアプリでした。

日本では配信開始から3日間でユーザー数100万人に到達し、
アプリランキングでぶっちぎり首位を独走していました。4月末時点で
全世界のユーザー数は1,000万人を突破、累計売上は約1億円に迫る勢い
でした。が、Metacriticでは72点。現在でもアップデートは
続いていますが、私の周りでももう話題にする人はいません。

App Annieによると、2016年12月31時点の『Miitomo』の
ランキング情報は以下の通り。

<各ストアにおける『Miitomo』のダウンロードランキング(2016年12月31日現在)>

地域差はありますが、iOSよりAndroidのダウンロード数が多い傾向です。
各地域のストアにおいてSNSジャンルではランクインしていますが、
総合ランキングではランク外となる地域も出ています。

続いて売上ランキングを見てみましょう

<各ストアにおける『Miitomo』の売上ランキング(2016年12月31日現在)>

売上ランキングでもやはりAndroidのSNSジャンルの中では
上位にランクインしていますが、奮っていません。年末に配信された
『Super Mario Run』は『Miitomo』のアカウントと連携していますが、
必ずしもマストではなくもう少しパンチがある機能提供を望みます。

『Pokemon Go』のあまりの人気に影をひそめてしまったというよりは、
SNSコンテンツとして継続プレイをユーザーに促さない運営に問題が
あるのかもしれません。これだけインストールされているプラットフォームを
もう少し積極的にプッシュしてほしいと考えます。今後の他コンテンツとの
連携に期待ですね。

(2)Pokemon Go

どのサイトを見ても2016年に嵐を巻き起こしたニュースとして
伝えられているのは『Pokemon Go』でしょう。マーケットデータ的にも
あらゆる記録を塗り替えました。

7月6日の北米、オーストラリアでのリリースを皮切りに、北米が
7月6日、7月13日に欧州、日本では7月22日にiOS/Android共に
リリースされたのですが、7月25日時点では5,000万ダウンロードを
記録しました。

App Annieによれば『Pokemon GO』は、北米市場においてApp Store
ではリリース当日に、Google Playではリリースから4日で各ストア
売上金額1位となりました。これは史上最速です。

また、約2か月で売上500万ドル(約500億円)を達成、これも
モバイルコンテンツ史上最速とのこと。恐ろしいと思うのは(笑)、
ほぼ広告を打たずにこのような偉業を成しえているということです。

ということで、8月16日には下記5つのギネス記録を達成しました。
(1)配信から最初の1カ月のダウンロード数が最多(全世界で1億3000万)
(2)売上高1億ドル(100億円)達成が過去最速(20日間)
(3)最初の1カ月の売上高が最高(2億650万ドル(約265億円))
(4)最初の1カ月間の売上高で同時にトップを獲得した国・地域の数が
 最多(55か国)
(5)最初の1カ月間でダウンロード人気ランキングで同時にトップを
 獲得した国・地域の数が最多(70か国)

すんごいですねぇ…。スマホや禁止区域への立ち入りなど様々な
問題提起はしているものの、騒がれている様子を見れば、単なる
アプリケーションのローンチではなく社会現象を巻き起こすほどの
「歴史的事件」と言ったほうがいいかもしれませんね。

また、中国でも類似したアプリが配信されたりとか、「何とかAR+GPSの
ゲームを作ろう!」と『Pokemon Go』に乗っかりたい?あやかりたい?
という話を聞いたりとか、ユーザーのみならず業界も様々なフォロワーの
話で盛り上がっています。

年末年始にかけて、『Pokemon Go』は「年末年始イベント」を開催しました。
(1) その日に訪れた最初のポケストップで「孵化装置」が一つ必ずもらえる(12/26~1/3)、
(2) ベィビィポケモン(ピチューやトゲピーなどの「ポケモン金・銀」に
  登場するポケモン)が孵化する卵がポケストップで見つかりやすい(12/26~1/3)
(3) ショップで年末年始の期間限定セールが開催(12/26~12/30)
(4) サンタピカチュウの出現期間延長(1/3まで)
(5) 御三家ポケモン(ゼニガメ、フシギダネ、ヒトカゲ)およびその進化形が
  出現しやすくなり、ルアーモジュールの有効時間が2倍の60分に延長(12/30~1/8)

これらによって、あきてしまったとかやめてしまったとかいうユーザーも
再開する人も多少はいたようですが、海外のサイトを見ると「インパクトに
欠ける」というガッカリ感が伝わってきました。

今後のアップデートとして噂されているのは伝説ポケモン(ファイヤー、
サンダー、フリーザー、ミューツー)の追加や「ポケモン金・銀」の
ポケモンの実装です。既に「図鑑」は240まで枠が拡張されており、
新しいポケモンの実装に向けて準備が進んでいることがうかがえます。

ただ、ユーザーとしてはポケモンの数だけでなく、友達同士の対戦とか、
トレードとか新しい「遊び方」を待ってるのに…という声も多く聞こえます。
せっかくここまで出回ったアプリですから『Miitomo』の二の舞(失礼しました…)
にはしたくないですよね。

ただ、不具合も多々報告されています。アプリ起動時にゲームが完全に
ロードされず、画面が白い画面のまま全く動かないので…プレイできない
ことがよくあります(私もよくあります!)。また、ジム戦中の遅延が著しく、
「避ける」が正常に挙動していない、とも報告されています。大型アップデートの
前にこれらの不具合の修正にNiantic社もてんてこ舞いと思われます。
頑張れ、Niantic!

(3)Super Mario Run

昨年の12月15日に配信された『Super Mario Run』。NewZooによれば
配信から2週間で9,000万ダウンロードを記録しているとのことです。
ただし$9.99(1200円)の課金をしたユーザーは300万人に留まっており、
課金率は3%と報告されています。単純計算で、300万人が$9.99円課金した
ということですから、約3,000万ドル(約30億円)の売上となります。

ダウンロードランキングで言えば、現在配信されている全ての地域で
トップ5を維持しています。売上ランキングではアクションゲームジャンル
としては北米をはじめ、英国、カナダ、ドイツ、オーストラリアで3位。
オランダでは1位をマークしています。取り急ぎ、任天堂の宮本茂氏の
「より広い客層へ広めたい」意向はダウンロード数としては届いていると
言えるでしょう。

総合売上ランキングでも日本の45位やシンガポールの71位などを除き、
ローンチされている地域ではトップ20内にランクインしているようです。

「$9.99で全ステージ開放」のビジネスモデルは、モバイルコンテンツにおける
課金額としては決して安いものではありませんが、一定のユーザーにとっては
課金する価値があったということでしょうね。ただし、一度払ったらそれ以上の
課金はない、ということですから、一般的なアイテム課金を実装している
『Pokemon Go』には及ばないと思われます。

一見すると課金率3%はとても小さい数字のように見えますが、F2P、つまり
「基本無料+アイテム課金」のビジネスモデルを採用するモバイルゲームの
課金率は2~5%程と言われています。これと比較しても、『Super Mario Run』の
課金率3%は決して悪い結果ではないでしょう。一度ダウンロードした人は
もう課金してくれない、というだけのことです。笑。

iOS版に遅れて、12月29日からAndroidでも事前予約が可能となりましたが、
配信日は現在も未定となっています。現在Android版を心待ちにしている
ユーザーの期待を逆手にとってユーザーの個人情報に不正アクセスする
マルウェアが野良アプリ(Google Play以外のサーバからダウンロード・
インストール可能なAndroid アプリ)として出回っていると報告されています。

一度感染すると、GmailやFacebookをはじめ、さまざまなサービスへのログインの
際にクレジットカードの情報を要求し、入力するまでログインさせない仕組みが
組み込まれているようです。『Pokemon Go』リリース時にも同様のマルウェアの
横行が目立ちましたが、話題のアプリの人気に便乗してマルウェアを感染させるのは
今や常套手段となっています。皆さん偽アプリには気をつけましょうね。

『Super Mario Run』はF2Pに慣れ切ったユーザーにはとても不評で
「ガヤ」も多いのですが、結果を見れば「価値あるコンテンツにはきちんと
支払う」人もいる、という証明でもあります。コンテンツの力で「遊んだ人は
ちゃんと払おうね」という流れもきちんと残しておいてほしい概念だと信じます。
それをビジネスモデルとして強行できるのは任天堂だけかもしれませんが
(あ、あとBlizzardくらいですか…笑)。

(4)今後の展開

任天堂は、今後『Fire Emblem(ファイアーエムブレム)』と『Animal Crossing
(どうぶつの森)』の2タイトルを配信予定です。当初2016年秋配信に向けて
開発中と発表していましたがどうやら Switchと『Super Mario Run』でお忙しい
そうですね。春ぐらいにはお目にかかれると期待しています!

また、これらはDeNAとの協業なので『Miitomo』がどうやってコンテンツの
ハブプラットフォームとして展開するのかは興味がありますね。ゲームデータ解析の
The Cutting Room Floorによると、『Miitomo』に使われているテクスチャーの中に
『Fire Emblem』のモバイル版ロゴ画像と類似したものを見つけたようです。

2016年9月の任天堂からの発表では『Animal Crossing(どうぶつの森)』と
『Fire Emblem(ファイアーエムブレム)』の配信の順番に言及はありませんでしたが、
今回見つかったデータを踏まえて、『Fire Emblem』が先に配信されるのではないか、
と言われています。『Miitomo』にはじまり、『Super Mario Run』、『Animal Crossing
(どうぶつの森)』、『Fire Emblem(ファイアーエムブレム)』とモバイルに向けても
本気(マジ)です!

2.VR元年 2016年とアップデート

ご存知の通り、2016年はOculus RiftやHTC Vive、PlayStation VR、Samsung Gear VR、
Google DaydreamなどのVRデバイスやそれに向けたたくさんのソフトウェアが
誕生しました。

市場へのイントロダクション(導入)は終わりました。2017年はペネトレーション
(浸透)の年になってほしいですね!

- Fove 日本発です!

さらに、PC用VRヘッドセットの「FOVE」が今月中に発売開始と
発表されました。Kickstarterからはじまり、投資家および東京大学の
産学プロジェクトファンドを利用して開発を進めていました。
「視線追跡機能」を最大のセールスポイントとしているこのヘッドセットは
VRに技術的に新しい旋風を巻き起こしそうです。

「視線追跡機能」とは赤外線を眼球に照射してユーザー視線の
アングルを検知するため、コントローラ無用のポインティング・デバイス
として機能させることができるのです。このポインティングに加え、
人間の「焦点」が合っていない背景などの映像をぼかすことで、
従来以上の没入感も得られるという技術です。

ものすごい時代ですね~。ちなみにOculusの持ち主である
Facebookも昨年末に視線追跡の技術を持つThe Eye Tribeという
スタートアップ企業を買収しており、すでに視線追跡機能を
ユーザー向けに配信しています。動きが早いです、Facebook!

- PlayStation VR

PlayStation VRは昨年の10月13日のリリースからほぼ売り切れ状態が
続いており、海外も同様に再入荷待ちとなっています。2016年末の
目玉商品の一つであった割には北米では「宣伝が目立たない」ため、
販売台数が奮っていない、という分析がなされています。いや、実は
供給不足なのでは?とツッコみたくもなりますが。

発売前には2016年内に約260万台販売すると予測していたSuperDataは
2016年12月時点で下方修正し、PlayStation VRは全世界で約75万台販売と
報告をしました。

PlayStation VR発売から2ヶ月強経って課題が明確になっていますが、
「PlayStation VRといえば…」というVR専用キラーコンテンツが
見当たらないため、今後のラインナップ充実にあわせて徐々に製造数を
増やしていただきたく。ちょっとスローなイメージです。前評判と比較して
結果を見るとスタートダッシュに失敗したようにも見えるPlayStation VR
ですが、今後の動向に引き続き注目したいと思います。

- Windows Holographic VR

CES 2017でWindows Holographic VR向けのヘッドセットも
発表されました。残念ながら価格設定や詳細な発売時期等に
関する続報はまだ届いておりませんが、各社とも2017年内の
発売を目指しているとのこと。

今回発表されたヘッドセットの多くは展示のみで仕様は未公開
となりましたが、それぞれWindows Holographic VRの思想に
基いているため、ヘッドセットにカメラを搭載していること、
PCと有線接続するところは共通しています。「見た目がPlayStation VRに
似ている」、「GoogleのDaydream Viewのように布素材を使用している」
など、既存のVRデバイスのよいところを取り入れているようです。

- Lenovo VR Headset

同じくCES 2017で発表されたLenovoのヘッドセット。写真の通り
装着したままでディスプレイ部分だけを上方向に開けられる設計に
なっています。これまでにはない発想!便利ですね。

それ以外に発表されたWindows Holographic VR用のヘッドセットは
以下の5種類となります

- Acer VR Headset

- 3DGlasses VR Headset

- Dell VR Headset

- HP VR Headset

- ZenFone AR

モバイルVRでは、AsusのZenFone ARがGoogleのTangoとDaydream VRの
どちらにも対応することが発表されました。これまではTango対応、
Daydream VR対応それぞれの端末はありましたが、両者に対応で
スマートフォンのサイズに収まっているものは初めてになりますね。

せっかくなので、これまで発表された情報をおさらいしましょう。

Tango対応端末:
- Lenovo Phab 2 Pro
- Asus ZenFone AR

Daydream VR対応端末:
- Google Pixel
- Motorola Moto Z
- Huawei Mate 9 Pro
- Asus ZenFone AR
- ZTE Axon 7

今のところ日本ではTango対応のLenovo Phab 2 Pro以外は手に
入らない端末となっています。

- VRまとめ

数字が明確にされていないのですが、VR元年にVRは実は苦戦しています。
デバイスやソフトもたくさん発売されているのですが、デバイスが
行き届いていないことが一番の原因と思われます。日ごろソフトが
ハードをけん引すると言い張っている私ですが、ことVRに至っては
声高に言い切れません。

一度経験してもらわないとおもしろさが伝わらないところがとても
難しいからです。ソフト開発側もある程度のデバイスの販売数を
見てみないと思い切った投資ができないというジレンマがあります。
もちろん、いろいろな投資がなされ、現在に至っているのですが、
まだまだなのかもしれません。

しかし、エンターテインメントは「ブーム」が突然起こるおもしろい
業界であることも確かです。数を打てば当たる!とは言いませんが、
デバイスが行きわたり、良質のソフトが多数発売されなければ
「プレブーム」で終わってしまわないように。健闘を祈ります!

- ARもちょっとだけ

最後に!ARに関してですが、Microsoft Hololensが法人向け、
開発者向けに発売されたのは前にレポートした通りです。NASA、JAL、
Audiなどは既に研修の一部としてHololensを使ったARコンテンツを
運用しています。まずは安価なデバイスの発売が待たれますね。

Microsoft Hololensは法人向け:$5,000、開発者向け:$3,000ですからねぇ…。
確かに法人かかなりのオタクでないと購入の決定はできませんよね。
Microsoftさん、待ってます。実は視界をふさがない軽量デバイスは
VR以上に期待を持ってたりするんですが…。

3.その他は次号で!

NPDの2016年12月の北米市場データがもうすぐ発表されます。2016年の
ゲーム業界、ハード、ソフトはどうだったのか?はデータを見ながら
まとめていきます。もう少しお待ちくださいね!

○。.:o.。…─…─…─…─…─…─…─…─…─…─….o:゜。○
゜o 。                        。o ゜
o○o       記野のあとがき          o○o
。 o゜                        ゜ o。
○。.:o.。─…─…─…─…─…─…─…─…─…─…─.o:゜。○

2017年を迎えました。北米の年末商戦はどうだったのか?は25日号に
まとめて書かせていただくとして。任天堂のおかげでモバイルコンテンツの
あり方を考えさせられた年末でした。

そう言いながらも日本のインディーズであるハップさんのコンテンツ
(「ママにゲーム隠された」など)やオーストラリア発の「クロッシーロード」
などを見ると、少人数で作ったインディーズゲームが大きな夢をかなえた!
と言えるわけで、これぞエンターテインメント!と夢を見れるモバイル
ゲーム業界はやはり魅力的ですね。

と、とりともめもないので今号はこれで終了!今年もよろしくお願い申し上げます!
また次号25日にお会いしましょう!

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考えております。

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ベテランアナリストが解説する!10分でわかるゲーム産業ジャーナル 第19号Vol. 19
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【 1月10日発行 】