滴りや苔なづるごとねぶるごと  和音
 
 
場所は等々力渓谷です。

渓流へ降りていくと水はあまり動いていません。

そして暫く下流へ行くと瀧と言って良いかどうかと言うくらいの小さな滝があります。

この音が昔は轟音だったようで、轟渓谷の名が付いたようです。
(等々力は佳字化)
 あるいは昔は周囲がもっと静かだったのかもしれません

周囲の苔からはゆっくりと水が浸み出してきます。

そこでこの句。

互選ではかなり人気がありました。

しかし原句は
滴りや苔なづることなめるごと

此処に先生から注文が出ました。

「着眼は素晴らしい。でもこれじゃ取れない。何処が悪いか判りますか?
なづるは文語、なめるは口語でしょ。
どちらかに統一しないといけない。
俳句の場合は文語に統一した方が殆どの場合、綺麗になります。
なめるは何処か品が無いでしょう?
ではなめるの文語は何ですか?
そう、ねぶるです。此処はねぶるに変えましょう。」

他の句でも
瀧音にリズム音階ありにけり

この方のも直されていました。
「リズムはカタカナ語。韻律という言葉有るじゃないですか。
俳句は意味内容が良くても表現がよくないとダメなんです」



滴りや苔なづるごとねぶるごと


季語は「滴り」で夏です。なお、「苔」は季語にはなりません。
季語になるのは「苔の花」です


ところで「平成俳人大全書」(東京四季出版)と言う本が発売されました。
その第四巻276頁に小生の句が載っています。
1冊1万円とバカみたいな値段なので、立ち読みして戴ければと思います。
(買っていただいても私に印税は入ってきません)
この本のコンセプトは「平成の万葉集」と言う事で、
いろんな俳人の句を集め後世に残す と言う事だそうです。



なお、このメールに返信しても筆者には届きません。まぐまぐの事務局でボツにされるので
ご注意ください


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